セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研53:複数回の切除により長期生存を得ている腹腔内原発悪性中皮腫の一例 |
演者 | 村瀬 壮彦(長崎大学大学院 移植) |
共同演者 | 足立 智彦(長崎大学大学院 移植), 黒木 保(長崎大学大学院 移植), 北里 周(長崎大学大学院 移植), 三島 壯太(長崎大学大学院 移植), 曽山 明彦(長崎大学大学院 移植), 虎島 泰洋(長崎大学大学院 移植), 伊藤 信一郎(長崎大学大学院 移植), 藤田 文彦(長崎大学大学院 移植), 金高 賢悟(長崎大学大学院 移植), 高槻 光寿(長崎大学大学院 移植), 木下 直江(長崎大学病院 病理部), 内田 信二郎(長崎大学病院 消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院 消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院 消化器内科), 江口 晋(長崎大学大学院 移植) |
抄録 | 【背景・目的】悪性中皮腫はアスベスト曝露との関連が示唆される腫瘍疾患であり胸膜由来の発生は多いが、腹腔内発生例の報告例は少なく、また胸膜発生例と同様に予後不良とされる。今回は腹腔内再発を繰り返す悪性中皮腫に対し、複数回の切除により長期生存を得た症例を経験した。文献的考察とともに報告する。【症例】50歳代男性、職業は土建業だがアスベスト曝露歴はないとのこと。1998年12月に全身倦怠感を主訴とした精査で肝外側区・胃に浸潤する腹腔内腫瘍を指摘、肝外側区・胃部分切除施行、原発巣は断定できないものの病理学的に腹腔内悪性中皮腫の診断を得る。以後、化学療法は施行せず経過観察するも再発所見なし。2003年12月(初回手術から5年後)に膵頭部背面に孤発性リンパ節腫大を指摘、切除にて悪性中皮腫再発を確認。以後、初回手術から8年後に肝S1再発に対し肝部分切除、10年後に腸間膜再発2か所に対し腫瘍切除、12年6カ月後に肝S1/肝十二指腸間膜内再発に対し肝部分切除を含む腫瘍切除・胆道再建を施行した。これまでの経過で抗癌剤による化学療法は施行せず。13年6カ月後(2012年5月)に前回切除部近傍に再発を呈し、動脈・門脈再建が必要となることから、まずは化学療法の適応としてCDDP/ pemetrexedによる治療を開始した。【考察・結語】腹腔内原発悪性中皮腫に対する既報では、その多発性からも抗癌剤治療が適応されることが多くまた予後不良であるが、稀ながら本例の如く限局発生例も存在し、その場合には外科切除により長期予後が望めると考えられる。 |
索引用語 | 悪性中皮腫, 切除 |