セッション情報 一般演題

タイトル 23:

FIB-4 indexの縦断的検討

演者 北尾 武(NTT西日本北陸健康管理センター)
共同演者
抄録 [はじめに]FIB-4 indexは肝線維化の進行度を非侵襲的的に測定するスコアとして、年齢、AST、ALT、血小板数のみから算出でき、簡便性は高い。人間ドック、検診受診者のFIB-4 indexを横断的、縦断的に算出して検討した。[対象と方法]平成23年度人間ドック、検診受診者で採血検査を受けた4706人(男性3141名66%、女性1565名34%)でFIB-4indexを測定した。スコアの高い受診者の平成元年からの採血記録から縦断的な検討をした。人間ドックをほぼ継続的に受診していて腹部エコー所見で脂肪肝がある場合の経過、健康管理記録から肥満、糖尿病、飲酒、メタボリックシンドロームなどの状態を把握した。[結果と考察]indexが1.3以下(Low)は3342名(71%)、1.3~2.67(indeterminate)1296名(27.5%)、2.67以上(High)68名(1.5%)であった。ハイスコア群で血液疾患で血小板数が少ない8例を除外して検討した。平成元年からのFIB-4 indexを時系列で検討できた30例では大部分が糖尿病や飲酒、肥満などが合併していた。糖尿病では高血糖が継続している場合はFIB-4 indexは持続して上昇したり、血糖値が変動する場合は血糖値と並行して変動するケースも認められた。腹部エコーでの脂肪肝所見がindexの上昇に先行したり、また食事や飲酒量が減少するとindexが低下する場合もある。生体肝移植のドナー候補となり、体調を整えて、indexを低下させた後に移植を行った例もあった。一般的な傾向を考察するのはこれからの検討が必要であるが、個々の例での病態の検討のスコアとしては非常に有効だと考えられる。
索引用語 FIB-4index, 脂肪肝