セッション情報 一般演題

タイトル 05:

横隔膜上憩室合併食道アカラシアに対して腹腔鏡下憩室切除、筋層切開、噴門形成術を施行した1例

演者 岡本 浩一(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科)
共同演者 二宮 致(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 丸銭 祥吾(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 柄田 智也(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 中沼 伸一(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 酒井 清祥(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 牧野 勇(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 中村 慶史(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 林 泰寛(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 尾山 勝信(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 井口 雅史(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 宮下 知治(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 田島 秀浩(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 藤田 秀人(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 高村 博之(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 北川 裕久(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 藤村 隆(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 太田 哲生(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 大堀 功(やわたメディカルセンター 消化器内科)
抄録 【症例】74歳男性。【現病歴】関節リウマチに対して近医通院中。2007年6月からの繰り返す食事のつかえ感につき2011年8月に上部消化管内視鏡検査を施行したところ、食道憩室を指摘された。2012年5月、食道透視にてLES 拡張不良を認め、食道アカラシアの疑いにつきCa 拮抗薬を内服開始したところ、食事の通過障害の改善を認めた。2012年6月、上部消化管内視鏡検査にて食道憩室の増大と通過障害の増悪を認めたために加療目的に当科紹介となった。【検査結果】上部消化管内視鏡検査にて胸部下部・腹部食道の左壁にφ5cm大の憩室を認め、残渣の貯留を認めた。食道への入口部は憩室に圧排され狭小化していたが、ファイバーの通過は可能であった。食道透視にて胸部下部・腹部食道の左壁側に6.7cm大の横隔膜上憩室を認め、また食道は右側への蛇行が強く、L字型を呈していた。EGJにおける造影剤の通過は不良であった。【手術】臨床経過から、食道横隔膜憩室を合併した食道アカラシア(aSg型、80°、Grade I)と診断し、2012年7月に腹腔鏡下食道憩室切除、Heller-Dor 手術を施行した。迷走神経肝枝を温存し、食道裂孔を開大して横隔膜上食道憩室を剥離、牽引して自動縫合器にて食道憩室を切除した。Heller 法にて食道右壁の筋層切開を行い、Dor 法により切除縫合線と筋層切開部をオーバーラップする形で噴門形成術を施行して手術を終了した。【臨床経過】術後経過は良好につき第12病日目に紹介元に転院となった。経過中食事のつかえ感や逆流症状は認めなかった。食道横隔膜憩室を合併した食道アカラシアは比較的稀であり、今回腹腔鏡下手術にて根治が可能であった1例を経験したので報告する。
索引用語 食道憩室, 食道アカラシア