セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 02:

Barrett食道癌に対してESDを施行した1例

演者 湊 貴浩(金沢医科大学 消化器内科学)
共同演者 中村 正克(金沢医科大学 消化器内科学), 土島 睦(金沢医科大学 消化器内科学), 白枝 久和(金沢医科大学 消化器内科学), 利國 信行(金沢医科大学 消化器内科学), 尾崎 一晶(金沢医科大学 消化器内科学), 福村 敦(金沢医科大学 消化器内科学), 大塚 俊美(金沢医科大学 消化器内科学), 斎藤 隆(金沢医科大学 消化器内科学), 林 伸彦(金沢医科大学 消化器内科学), 福山 智基(金沢医科大学 消化器内科学), 松永 和大(金沢医科大学 消化器内科学), 林 蘭仁(金沢医科大学 消化器内科学), 野村 友映(金沢医科大学 消化器内科学), 山田 英登(金沢医科大学 消化器内科学), 松江 泰弘(金沢医科大学 消化器内科学), 山秋 司(金沢医科大学 消化器内科学), 堤 幹宏(金沢医科大学 消化器内科学), 有沢 富康(金沢医科大学 消化器内科学)
抄録 [症例]66歳、男性。自覚症状はなし。64歳時に胃癌にて腹腔鏡補助下幽門側胃切除を施行。その後外来にて経過観察をしていた。65歳時の上部消化管内視鏡検査で、食道胃接合部に小結節を認めた。上部消化管造影検査では食道胃接合部後壁に5mm程度の、上皮性変化を伴う隆起性病変を認めた。精査目的の上部消化管内視鏡検査では食道胃接合部に柵状血管像を認め、Barrett食道が背景にあると考えた。Barrett食道後壁に、表面色調は発赤、表面性状は顆粒状の結節隆起を認めた。NBI拡大内視鏡検査では、表面微細構造(MS)はunclearで、微小血管構築像(MV)はfine network patternを呈しており、高分化型腺癌と考えた。超音波内視鏡検査では、第3層は保たれており、深達度は粘膜内までの病変と推測した。以上より、Barrett食道癌と考え、内視鏡的治療の適応病変と考えた。ESD施行時の病変は待機中に若干腫大していた。ESDは、Barrett食道癌の進展様式から、通常観察で捉えた範囲より拡がっている可能性がある為、2cm以上の十分なmarginを取って施行した。病理組織学的には、肉眼的に捉えられた隆起性病変部に腺癌を認めたが、術前の予測通りその口側、肛門側にもわずかに進展していた。腫瘍は管状構造を主体とする高分化腺癌であり、粘膜筋板の二重化を認め、Barrett食道癌、深達度はm3であった。D2-40染色は陰性、p53免疫染色は陽性であり、口側、肛門側への進展が明瞭になった。最終診断は、Barrett’s esophageal adenocarcinoma,tub1,10×8mm,m3,ly(0),v(0),LM(-),VM(-)であった。[考察]Barrett食道癌は口側、肛門側に進展している可能性が高く、肉眼的診断より大きく内視鏡切除が必要である。また、Barrett食道癌は食道胃接合部癌でり、食道癌と胃癌の治療ガイドラインで方針が異なる為、治療方針が難しく現時点での統一した見解はない。解剖学的位置に基づいた疾患名で考えるべきか、組織学的所見に基づいて考えるべきかは今後の検討課題である。
索引用語 Barrett食道, ESD