セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 03:

食道小細胞癌の1例

演者 丸銭 祥吾(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科)
共同演者 岡本 浩一(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 牧野 勇(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 二宮 致(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 柄田 智也(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 中沼 伸一(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 酒井 清祥(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 古河 浩之(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 中村 慶史(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 林 泰寛(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 尾山 勝信(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 井口 雅史(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 宮下 知治(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 田島 秀浩(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 藤田 秀人(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 高村 博之(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 北川 裕久(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 藤村 隆(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 太田 哲生(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科)
抄録 症例は72歳男性。2012年3月頃より胸痛とつかえ感を自覚し、5月に近医にて上部消化管内視鏡検査にて中部食道に食道腫瘍を指摘され当科紹介となった。上部消化管内視鏡検査にて切歯より34-38cmの左側後壁中心に1/3周性の2型腫瘍を認め、口側および後壁側に5mmほど上皮内伸展を疑う連続した0-IIb病変を認めた。腫瘍部からの生検病理では、Squamous cell carcinomaを認めたが、一部免疫染色でchromogranin(+)、synaptophysin(+)、CD56(+)を認め、内分泌細胞癌を疑う部分も認めた。CT では胸部食道に造影効果を伴う壁肥厚を認めたが、周囲臓器への浸潤は認めず、106recRに8mm大のリンパ節を認めた。PET-CTでは食道原発巣と106recRリンパ節にFDG異常集積を認めたが、明らかな遠隔転移は認めなかった。また、第10胸椎の椎体にFDG集積を認めたが、MRIにて早期椎体椎間板炎との鑑別は困難であった。以上よりT2 N1 (106recR) M0 cStage IIの進行食道癌の診断にて、2012年6月 胸腔鏡下食道切除、腹腔鏡補助下胃管作成、頚胸腹部リンパ節郭清、後縦隔経路挙上胃管頚部吻合術を施行した。第3病日に縫合不全を認めたが、経皮的ドレナージにて改善した。切除標本病理診断は、pT3(Ad),endocrine cell carcinoma with squamous cell carcinoma component,pN1(106recL、108), pStage IIIであった。一部扁平上皮癌の混在を認めたが、腫瘍の大部分はN/C比大の腫瘍細胞の充実性増殖が見られ、ロゼット形成を伴う内分泌細胞癌成分であった。免疫染色では、術前の生検組織と同様の結果であった。術後補助化学療法として肺小細胞癌レジメンに準じて、CPT-11+CDDP投与を開始し、現在治療継続中である。今回、食道小細胞癌の稀少な1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 食道, 小細胞癌