セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 20:高齢者大腸癌症例に対する化学療法の実際 |
演者 | 根塚 秀昭(八尾総合病院 外科) |
共同演者 | 笹原 のり子(八尾総合病院 外科), 渡邉 利史(八尾総合病院 外科), 江嵐 充治(八尾総合病院 外科), 藤井 久丈(八尾総合病院 外科), 山田 一樹(八尾総合病院 内科), 齋藤 智裕(八尾総合病院 内科), 南部 修二(八尾総合病院 内科) |
抄録 | 【背景】社会の高齢化と罹患率の上昇から、高齢者大腸癌患者が増加しており、化学療法が適応となる高齢患者も増加傾向である。しかし、高齢者は一般的に臓器障害や薬剤代謝能の低下を伴うことが多いため有害事象が重篤になる危険性がある。これまでの化学療法に関する多くの臨床試験は、75歳以下の非高齢者を対象に行われており、高齢者に対する治療戦略は未だ充分には確立されていない。近年、高齢者に対する減量した投与法に関した検討が進められており、結果が待たれる状況である。【目的】当科における高齢者大腸癌症例に対する化学療法の現状を明らかにする。また、2009年より高齢者大腸癌症例に対して臓器障害を考慮した化学療法減量基準を適用しており、その安全性・有用性を検討する。【対象】過去3年間(2009-2012)に術後化学療法を施行したStage3以上・ 75歳以上の高齢大腸癌症例(n=16)を対象とし、74歳以下の非高齢大腸癌症例(n=20)と比較検討した。【方法】年齢(80歳以上)、骨髄機能(白血球数<3000/mm3、好中球数<1500/mm3、血小板数<7.5万/mm3)、腎機能(Ccr<50mL/分)、肝機能(GPT>120U/L、T-Bil>1.8mg/dl)、PS(≧3)の基準を設定、障害の程度に応じた減量率:20%(1段階)~40%(2段階)を適用し、初回より減量投与した。【結果】有害事象に関して、高齢者群ではG3以上の副作用は少なく、非高齢者群と比較し副作用発症率に差を認めなかった。術後補助化学療法に関する完遂率は高齢者・非高齢者群間に差を認めなかった。【結語】75歳以上の高齢者大腸癌症例に対する全身化学療法は経時的に増加傾向にあった。高齢者でも、PS、骨髄機能、臓器障害を考慮し投与量の適切な減量を行うことにより、比較的安全に全身化学療法が可能であった。今後、高齢者大腸癌症例に対する、化学療法の有効性に関する検討が望まれる。 |
索引用語 | 大腸癌, 高齢者 |