セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 27:

肝動注化学療法RD後にソラフェニブが著効を示した1例

演者 山宮 大典(金沢大学附属病院 消化器内科)
共同演者 北原 征明(金沢大学附属病院 消化器内科), 武越 快(金沢大学附属病院 消化器内科), 関 晃裕(金沢大学附属病院 消化器内科), 在原 文教(金沢大学附属病院 消化器内科), 小村 卓也(金沢大学附属病院 消化器内科), 砂子阪 肇(金沢大学附属病院 消化器内科), 鷹取 元(金沢大学附属病院 消化器内科), 島上 哲朗(金沢大学附属病院 消化器内科), 荒井 邦明(金沢大学附属病院 消化器内科), 北村 和哉(金沢大学附属病院 消化器内科), 柿木 嘉平太(金沢大学附属病院 消化器内科), 山下 太郎(金沢大学附属病院 消化器内科), 加賀谷 尚史(金沢大学附属病院 消化器内科), 酒井 佳夫(金沢大学附属病院 消化器内科), 山下 竜也(金沢大学附属病院 消化器内科), 水腰 英四郎(金沢大学附属病院 消化器内科), 酒井 明人(金沢大学附属病院 消化器内科), 本多 政夫(金沢大学附属病院 消化器内科), 吉田 功(金沢大学附属病院 消化器内科), 金子 周一(金沢大学附属病院 消化器内科)
抄録 【症例】30代男性【主訴】全身倦怠感【嗜好歴】飲酒なし【現病歴】母親がHBVキャリアであり、幼少時にHBV感染を指摘されたが放置していた。2010年10月、健診にて高血圧・肝障害を指摘され、近医にてB型肝硬変と診断され、エンテカビルの内服が開始された。 同年12月、腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-II)の高値および腹部造影CTにて、尾状葉に最大径40mmの多血性腫瘍と門脈左枝内腫瘍栓を認め、当院紹介入院となった。【経過】脈管浸潤を伴う進行肝細胞癌(stageIII、T3N0M0)と診断され、2011年1月より肝動注化学療法(5FU+CDDP+PEG-IFN)を開始した。計2クールを施行するも腫瘍マーカーの上昇、腫瘍径の増大を認め、PDと判断した。その後、主腫瘍の存在する左葉に対して、当院外科にて拡大肝左葉切除術+脾摘出術を施行した。残存した右葉病変に対して、同年5月から5-FU+CDDP+MTX+LV+IFN併用の肝動注化学療法を1クール施行するも効果判定はPDであった。後治療として同年7月よりソラフェニブ800mg/日を開始し、6週後の効果判定では、右葉にびまん性に広がる肝細胞癌と門脈腫瘍栓に縮小傾向を認めた。その後、右葉病変はさらに縮小傾向となり、腫瘍マーカーの著減も認めた。現在ソラフェニブ導入61週後であるが、CT・MRIにて濃染を伴う腫瘍は認めず生存中である。【考察】ソラフェニブは癌細胞に対する殺細胞効果に乏しく、PR例は約2%程度、CR例はほとんど見られないと報告されている。今回我々は、肝動注化学療法PD後にソラフェニブ投与にて著効を示した貴重な症例を経験したため、若干の文献的考察を踏まえて報告する。
索引用語 肝細胞癌, ソラフェニブ