セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 37:術前診断に難渋した胆嚢神経内分泌腫瘍(NET G1)と診断された一例 |
演者 | 織田 典明(富山県立中央病院 内科) |
共同演者 | 松田 耕一郎(富山県立中央病院 内科), 木田 明彦(富山県立中央病院 内科), 宮澤 正樹(富山県立中央病院 内科), 水上 敦喜(富山県立中央病院 内科), 平井 聡(富山県立中央病院 内科), 島谷 明義(富山県立中央病院 内科), 堀田 洋介(富山県立中央病院 内科), 平松 活志(富山県立中央病院 内科), 松田 充(富山県立中央病院 内科), 酒井 明人(富山県立中央病院 内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院 内科), 石澤 伸(富山県立中央病院 病理診断科), 天谷 公司(富山県立中央病院 外科), 清水 康一(富山県立中央病院 外科) |
抄録 | 【症例】70歳台、男性【現病歴】2011年11月空腹時心窩部痛を認め、当科紹介受診した。腹部エコーでは胆嚢全体の壁肥厚と壁在高エコーを認め、慢性胆嚢炎、胆嚢癌、黄色肉芽腫性胆嚢炎、胆嚢腺筋腫症が疑われた。さらなる精査目的に施行した造影CTおよび造影MRIでは、胆嚢全体の壁肥厚およびRASが存在し内腔に大きな胆嚢結石を認めた。頚部には造影効果のある腫瘤が充満し粘膜面は不明瞭であったが、明らかな浸潤、転移は認めなかった。組織診断も考慮し超音波内視鏡検査を施行したところ、胆嚢壁のびまん性肥厚と胆嚢結石およびコメットサイン陽性を認め、明らかな周囲への浸潤は認めなかった。PET-CTでは胆嚢頚部に後期像で淡いFDG集積を認め慢性炎症を反映している可能性もあったが、悪性が否定できなかった。以上の所見から、慢性胆嚢炎、黄色肉芽腫性胆嚢炎、胆嚢腺筋腫症が疑われるが、粘膜内に留まる胆嚢癌も否定できず、2012年5月当院外科にて腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行された。手術標本病理では、慢性胆嚢炎、胆嚢腺筋腫症、胆嚢結石症の診断とともに、胆嚢内のポリープ様病変において異型度が乏しく核分裂像を認めない小型細胞の索状で不規則な増殖を認め、免疫組織化学染色ではChromograninA、Synaptophysinが強陽性、NCAM、Somatostatinが弱陽性で、Insulin、Glucagon、Gastrin、ACTH、Serotoninは陰性であることから、Neuroendocrine tumor G1(NET G1,carcinoid), (WHO 2010)と診断された。現在定期的にフォロー中である。【考察および結語】胆嚢原発悪性腫瘍の大部分は腺癌であり、胆嚢原発NETについては、稀に進行癌で発見され、NETのG2、G3であった症例が少数例報告されているのみである。今回我々は、極めて稀な胆嚢原発NET G1の症例を経験したので報告した。 |
索引用語 | 胆嚢原発神経内分泌腫瘍, NETG1 |