セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 13:

ジャガイモを丸飲みしたことにより発症した食餌性イレウスの1例

演者 佐藤 博文(杉田玄白記念公立小浜病院)
共同演者 口出 将司(杉田玄白記念公立小浜病院), 笠原 勝宏(杉田玄白記念公立小浜病院), 布居 剛洋(杉田玄白記念公立小浜病院), 山内 淳一(杉田玄白記念公立小浜病院), 上田 大輔(杉田玄白記念公立小浜病院), 高崎 俊和(杉田玄白記念公立小浜病院), 西村 大(杉田玄白記念公立小浜病院)
抄録 【緒言】食餌性イレウスはイレウスの中では比較的稀であり、内科的治療では治癒し難く、外科的治療に移行する例が多い。今回我々は内科的治療で完治し得た食餌性イレウスの症例を経験したので報告する。【症例】30歳代男性【既往歴】てんかん、精神発達遅滞(当院脳神経外科通院中)【現病歴】3日前より吃逆・嘔吐・腹痛・頭痛が出現し、経口摂取できなくなったため当院脳神経外科を受診した。頭部CT検査では異常を認めず、腹部症状を認めたため同日内科紹介となった。【身体所見】バイタルサイン異常なし、腹部全体に自発痛・圧痛あり、軽度膨隆あり、筋性防御なし、反跳痛なし、腸蠕動音亢進あり【血液検査所見】WBC8,810/μl、Hb13.4mg/dl、Plt14.6万/μl、CPK30IU/l、CRP6.66mg/dl、Na137mEq/l、K3.8mEq/l、Cl99mEq/l【画像所見】腹部X線:著明な小腸ガス貯留あり、腹部骨盤CT:回腸内に結節状のhigh density nodule2カ所あり(26mm経、25mm経)【経過】画像上異物による回腸の閉塞が考えられ、緊急入院の上イレウス管による減圧を試みた。イレウス管は125cm、上部空腸まで挿入した。絶食補液にて治療を開始したところ、第1病日より腹部症状は改善、第4病日には排ガスを認めたためイレウス管をクランプして流動食を開始した。しかし、第5病日にも排便認めなかったため、再度腹部骨盤CTを施行したところ、前回CTで小腸内に認めた異物2つを直腸内に認めた。摘便とともに異物の摘出も試みたところ、ジャガイモを2つ摘出した。精神発達遅滞のため誤って丸飲みをしたと考えられた。異物の摘出後は排便も認めるようになり、経口摂取も順調であったため、第11病日に退院した。【考察】食塊による腸管の閉塞は原則単純性イレウスであり、まずは保存的加療の選択を行う。しかし、腹膜刺激症状の出現など手術適応となる症例も多く、常に手術を念頭において管理し、適切なタイミングで病態を再評価する必要があると考えられる。
索引用語 イレウス, 食餌性イレウス