セッション情報 一般演題

タイトル 04:

角化を伴う食道癌の臨床的特徴

演者 竹村 健一(石川県立中央病院 消化器内科)
共同演者 竹田 康人(石川県立中央病院 消化器内科), 朝日向 良朗(石川県立中央病院 消化器内科), 木藤 陽介(石川県立中央病院 消化器内科), 伊藤 錬磨(石川県立中央病院 消化器内科), 中西  宏佳(石川県立中央病院 消化器内科), 林 智之(石川県立中央病院 消化器内科), 稲垣 聡子(石川県立中央病院 消化器内科), 吉田 尚弘(石川県立中央病院 消化器内科), 早稲田 洋平(石川県立中央病院 消化器内科), 辻 重継(石川県立中央病院 消化器内科), 山田 真也(石川県立中央病院 消化器内科), 土山 寿志(石川県立中央病院 消化器内科)
抄録 【背景と目的】上部消化管内視鏡検査において食道に角化傾向を認めることは珍しくないが、その中には角化を伴う食道癌も存在する。今回当院で経験した角化を伴う食道扁平上皮癌の臨床的特徴について報告する。【対象と方法】これまでに食道ESDを施行した212病変中、表面に強い角化傾向を認めた11例について、部位、形態、深達度、NBI拡大観察の可否、ルゴール不染の有無、経時的変化の有無について検討した。【結果】病変の存在部位は中部食道7例、下部食道4例であり、形態は0-IIa 6例、0-IIb 3例、0-IIc 1例、0-IIa+IIb 1例であった。平均腫瘍長径は23.5mmで、病理学的深達度はpEP/LPM 8例、pMM/SM1 2例、pSM2 1例であった。11例中3例は角化のためにNBI拡大観察による評価が困難であったが、残りの8例は角化の合間もしくは角化のない部分に腫瘍性のIPCLを認識し、NBI拡大観察による術前深達度診断が可能であった。pSM2であった病変は不均一な隆起の一部にのみ角化を認め、角化のない部分に食道学会分類Type B3血管を認識した。ルゴール不染は11例中9例において認め、ルゴールにて境界が不明瞭であった2例はいずれも腫瘍表面全体に角化が拡がっていた。経時的変化が観察できた4例において、12ヵ月以上前に施行した内視鏡検査時と比較し、病変サイズ、形態に変化は認めず、最長で4年の経過観察がなされた病変は腫瘍全体が角化で覆われているほぼ均一な扁平隆起型の腫瘍であった。【結語】表面が角化で覆われた食道癌は発育が緩徐で、深達度も浅い傾向を認めた。ただし深達度診断についてはNBI拡大観察も含めて慎重に評価すべきである。上部消化管内視鏡検査時に食道に角化を認識した際には、扁平上皮癌の存在を念頭に置いた詳細な観察が必要ある。
索引用語 食道癌, 角化