セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 43:

高齢者膵癌に対する化学療法の有効性の検討

演者 木藤 陽介(石川県立中央病院 消化器内科)
共同演者 辻 国広(珠洲市総合病院 内科), 竹田 康人(石川県立中央病院 消化器内科), 朝日向 良朗(石川県立中央病院 消化器内科), 伊藤 錬磨(石川県立中央病院 消化器内科), 中西 宏佳(石川県立中央病院 消化器内科), 林 智之(石川県立中央病院 消化器内科), 稲垣 聡子(石川県立中央病院 消化器内科), 吉田 尚弘(石川県立中央病院 消化器内科), 早稲田 洋平(石川県立中央病院 消化器内科), 辻 重継(石川県立中央病院 消化器内科), 竹村 健一(石川県立中央病院 消化器内科), 山田 真也(石川県立中央病院 消化器内科), 土山 寿志(石川県立中央病院 消化器内科)
抄録 【背景】高齢社会を反映して癌患者に占める高齢者の割合は増加している。一方で、切除不能膵癌に対する化学療法の有効性は確立されているが、高齢者における有効性は明らかにされていない。【目的】高齢者切除不能膵癌に対する化学療法の有効性を明らかにする。【対象と方法】2007年~2011年までに当科で切除不能膵癌と診断された75歳以上の高齢者のうちECOG PS≦2の23症例を対象とした。BSC(Best supportive care)が選択された9例と化学療法14例の背景因子、使用薬剤、全生存期間、有害事象についてretrospectiveに検討した。【結果】患者背景はBSC群と化学療法群で、年齢中央値:82.0(79-85),78.5(75-86)、男/女:3/6,7/7、PS0/1/2:3/1/5,2/9/3、UICC StageIII/IV:4/5,2/12、腹水有/無:2/7,2/12、胆管ステント有/無:5/4,3/11、総ビリルビン中央値(mg/dl):4.34(0.45-25.98),0.71(0.26-3.38)、CA19-9中央値(U/ml):3439(2-13110),751(16.5-180029)であり、各因子に有意差は認めなかった。化学療法は1次治療としてGEM 8例(57.1%)、S-1 6例(42.9%)が選択されており、2次治療移行割合はGEM投与例で3例(37.5%)、S-1投与例で1例(16.7%)であった。診断日を起算日としたときの生存期間中央値はBSC群では182日、化学療法群ではGEM投与例154日、S-1投与例130日、化学療法群全体で154日であり、BSC群との比較において有意差は認めなかった。化学療法群の有害事象としてはgrade3以上の血液毒性を好中球数減少/貧血/血小板数減少:1/1/1例、非血液毒性として2例の間質性肺炎を認めた。【結論】少数例の検討ではあるが、今回の検討では75歳以上の高齢者膵癌に対する化学療法の有効性は認めなかった。PS良好の高齢者における化学療法については慎重に対応し、今後さらに症例を蓄積して検討していきたい。
索引用語 膵癌, 高齢者