セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 09:膵炎を合併した胃異所性膵の一例 |
演者 | 舩木 雅也(石川県済生会金沢病院 消化器科) |
共同演者 | 代田 幸博(石川県済生会金沢病院 消化器科), 堀井 里和(石川県済生会金沢病院 消化器科), 若林 時夫(石川県済生会金沢病院 消化器科), 今井 哲也(石川県済生会金沢病院 外科), 齊藤 大輔(石川県済生会金沢病院 外科), 大和 太郎(石川県済生会金沢病院 外科), 滝沢 泰彦(石川県済生会金沢病院 外科) |
抄録 | 【症例】60歳代、女性。2011年2月上腹部痛で近医を受診。腹部エコーで胃壁の肥厚を認め精査目的に当院に紹介となった。血液検査でP-Amy 60IU/L、リパーゼ 98IU/L、エラスターゼ1 368IU/Lと軽度の膵酵素上昇を認め、単純CTでは胃幽門部から前庭部の壁肥厚と周囲の脂肪織濃度の上昇を認めたが膵の腫大は認めなかった。上部消化管内視鏡検査では前庭部大彎の粘膜浮腫を認めた。画像上膵の変化に乏しく、胃の所見を一元的に説明できなかったが、上腹部痛と膵酵素の上昇より膵炎と診断し加療を行い軽快した。同年9月症状が再発し当院を受診。再度膵酵素の上昇を認め入院となった。造影CTでは胃の壁肥厚は幽門部から体部まで拡大し、幽門部には約3cm大の動脈相から平行相にかけて漸増性に濃染する胃壁外に突出する腫瘤を認めた。周囲の脂肪織濃度の上昇も拡大しているのに加え、胃大彎近傍のリンパ節腫脹を認めた。MRI T2脂肪抑制像では腫瘤内に導管様の構造物を認めた。上部消化管内視鏡検査では初回発作時より拡大した粘膜浮腫を認めた。超音波内視鏡では腫瘤は筋層に主座を置き、内部エコーは不均一で一部管状の無エコー領域を認めた。上記画像所見と臨床経過より膵炎を合併した胃異所性膵と診断。絶食補液にて速やかに症状は改善したが、膵炎を繰り返したこと、ならびに悪性病変である可能性を否定できないことから腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を施行した。病理組織検査では筋層から漿膜下層にHeinlich 1型の異所性膵を認めた。【考察】胃異所性膵はほとんどが無症状のまま経過し膵炎を来す症例は稀である。多くは粘膜下層に存在するが、本例の如く粘膜下層より深部に局在する例もあり、その場合は特徴的な内視鏡所見を呈さず診断に苦慮する場合もある。稀な病態に加え診断過程、画像所見等示唆に富む症例と考え報告する。 |
索引用語 | 異所性膵, 超音波内視鏡 |