セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 34:

細胆管細胞癌の1切除例

演者 西谷 雅樹(公立松任石川中央病院 消化器内科)
共同演者 友影 美貴(公立松任石川中央病院 消化器内科), 高畠 央(公立松任石川中央病院 消化器内科), 西川 昌志(公立松任石川中央病院 消化器内科), 浅井 純(公立松任石川中央病院 消化器内科), 卜部 健(公立松任石川中央病院 消化器内科), 廣瀬 淳史(公立松任石川中央病院 消化器外科), 能登 正浩(公立松任石川中央病院 消化器外科), 石井 要(公立松任石川中央病院 消化器外科), 竹田 利弥(公立松任石川中央病院 消化器外科), 谷 卓(公立松任石川中央病院 消化器外科), 八木 雅夫(公立松任石川中央病院 消化器外科)
抄録 症例は70歳代,男性.2002年近医でアルコール性肝障害と診断され,肝庇護療法で経過観察していた.特に自覚症状はなし。2011年12月PIVKA-IIが上昇傾向を示したため各種画像検査施行したところ肝S3に腫瘤性病変を指摘し精査加療目的で紹介となった。理学的所見として腹部:平坦・軟,腹壁静脈怒張なし、肝 :辺縁鈍,表面整,弾性軟の肝臓を右季肋部~正中に1横指触知 脾:触知せず、下肢浮腫なし。血液検査では特に異常は認めなかった。(以下PET以外の画像診断は金沢大学病院で行った)CTAP/CTHA:S3の腫瘤性病変は径30mm大で,CTAPで周囲にA-P shuntを伴い,門脈血流欠損域を呈した。CTHAでは淡い造影効果を認め,中心部に動脈が走行する.腫瘍内の微細な血管が腫瘤外肝静脈と連続しまた5分後に遅延濃染像を認めた。EOB-MRI:肝細胞相では低信号を呈した。FDG-PETではSOLに集積を認め、転移を示唆する集積は認めなかった。以上画像検査では腫瘍中心部に動脈が走行し,腫瘍内の微細な血管が腫瘤外肝静脈と連続していることから細胆管細胞癌を疑った.肝予備能は保たれており,外科的切除術を施行した.切除標本で腫瘍は異型性に乏しい小型~類円形の腫瘍細胞からなる腺癌で,増生細胆管に類似した不明瞭な腺管,小管腔構造および不規則吻合を示しつつ増殖していた.腫瘍内に埋没している門脈域に門脈侵襲および胆管侵襲,動脈壁に浸潤を認めた.腫瘍細胞は粘液産生陰性,胆管型サイトケラチンCK7陽性,CK19陽性,肝細胞マーカーHepPAR1,Glypican 3,AFP陰性であり,ENAは管腔面が膜状に陽性,EpCAM陽性,NCAM 弱陽性であった.以上から細胆管細胞癌に合致すると考えた.今回我々は画像検査で細胆管細胞癌の診断に至った1例を経験した。細胆管細胞癌は比較的まれであり、さらに画像検査の特徴から術前に診断しえた貴重な症例と考えられた。
索引用語 細胆管細胞癌, 画像診断