セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 10:

消化管出血にて発症し胃部分切除術を施行された胃壁内血腫の1例

演者 我如古 理規(福井赤十字病院 外科)
共同演者 青竹  利治(福井赤十字病院 外科), 広瀬 慧(福井赤十字病院 外科), 吉田 誠(福井赤十字病院 外科), 土居 幸司(福井赤十字病院 外科), 川上 義行(福井赤十字病院 外科), 田中 文恵(福井赤十字病院 外科), 藤井 秀則(福井赤十字病院 外科), 廣瀬 由紀(福井赤十字病院 外科)
抄録 症例は73歳女性 。胆嚢摘出(41歳)、糖尿病の既往がある。大量下血を主訴として前医より精査加療目的に当科入院となった。上部消化管内視鏡検査では胃体下部小彎に径5cmの粘膜下腫瘍を認め、その頂部に出血源と考えられる陥凹形成を認めた。CT・MRI・PET等にて精査の後、胃部分切除術が施行された。病変は長径45mmの腫瘍性病変で、病理学的には漿膜下から筋層にかけての出血を伴う壊死組織が主体の胃壁内血腫であった。胃壁内血腫の原因としては、慢性腎不全(血液透析)、血友病、ITP、慢性膵炎、消化管アミロイドーシス、外傷(胃ろうや魚骨なども含む)によるものが報告されている。本症例では既往歴として約20年前に胆嚢摘出術があり、血腫の周囲には糸と思われる異物を散在性に認めることから、異物反応を繰り返して形成され、胃壁を穿孔し、大量の出血を来たしたとも考えられる。胃壁内血腫について若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胃壁内血腫, 粘膜下腫瘍