セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 42:

膵腺房細胞癌の1例

演者 清水 大樹(公立松任石川中央病院 消化器内科)
共同演者 浅井 純(公立松任石川中央病院 消化器内科), 友影 美貴(公立松任石川中央病院 消化器内科), 高畠 央(公立松任石川中央病院 消化器内科), 西川 昌志(公立松任石川中央病院 消化器内科), 卜部 健(公立松任石川中央病院 消化器内科)
抄録 症例は50歳代,女性.1か月前から空腹時増強する上腹部痛が出現し精査のため紹介された。上部消化管内視鏡検査で胃潰瘍が認められた。腹部エコーでは膵尾部の腫瘤性病変と肝内多発性腫瘤性病変が認められ入院精査となった。血液検査では特に異常なくCEA, CA19-9, DUPAN-2, Span-1も正常値であった。腹部CTでは膵大部~尾部に不均一に造影される42x19mm大の腫瘤性病変があり周囲血管に浸潤を疑わせる所見も認められた。肝内には大小腫瘤が多発し、内部隔壁や結節性の充実部内に壊死部を有していた。FDG-PETでは膵腫瘤および肝内多発腫瘤に軽度ながらFDGの集積が認められた。リンパ節転移は認められなかった。EUSでは膵腫瘤は25x17mm大の不整な低エコー充実性腫瘤と描出された。画像検査から通常の膵管癌とは特徴が異なるためFNA-EUSによる膵腫瘤生検および肝腫瘍生検を行った。FNA-EUSでは好酸性胞体を有する異型細胞の胞巣状増殖が認められ、腺房細胞癌も疑われた。肝腫瘍生検でも同様な組織が得られ膵腺房細胞癌と診断した。以後TS-1およびGEMによる化学療法施行している。膵腺房細胞癌は膵癌の約0.5%と報告され稀な病態である。今回FNA-EUSおよび肝腫瘍生検により原発巣、肝転移巣の病理学的確診しえた貴重な症例と考えられた。
索引用語 膵腺房細胞癌, FNA-EUS