セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 015:閉塞性黄疸を発症したgroove pancreatitisの1例 |
演者 | 奥野 充(岐北厚生病院 消化器内科) |
共同演者 | 足立 政治(岐北厚生病院 消化器内科), 中村 憲昭(岐北厚生病院 消化器内科), 山内 治(岐北厚生病院 消化器内科), 齋藤 公志郎(岐北厚生病院 消化器内科), 安田 一朗(岐阜大学大学院医療学系研究科 地域腫瘍学) |
抄録 | 症例は40代、男性。連日アルコールを摂取していたが2012年3月下旬に心窩部痛を主訴に当科を受診し、血液検査上黄疸を認めた。腹部造影CTにてgroove領域(膵頭部と十二指腸下行脚、総胆管に囲まれた領域)に液体貯留と33x28x24mmの遅延性濃染を伴う腫瘤および膵体部に膵炎像を認め、MRIでもgroove領域にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を示す腫瘤を認め、精査加療目的にて入院となる。内視鏡的逆行性胆道造影では、中~下部胆管にかけて圧排性の狭窄を認めたが狭窄部位の粘膜面は平滑であった。内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD)を施行し、その後、絶食にて腹痛、黄疸は消失した。第5病日のENBD造影では総胆管の狭窄像は消失していたためENBDを中止とした。上部内視鏡検査では、十二指腸に通過障害は認めなかった。その後プロトンポンプ阻害剤、カモスタットメシル酸塩の投与により保存的加療を行ったが、経過良好であり第8病日に退院した。第12病日に施行した腹部造影CTでは膵体部膵炎像は消失し、groove領域の腫瘤も21x15x19mmに縮小した。膵管の評価のため第19病日に内視鏡的逆行性膵管造影を施行し、Santorini管およびその分枝の狭窄を認め、最終的にgroove pancreatitis(以下GP)と診断した。その後も心窩部痛や黄疸は認めず、さらに4か月後のCTでは腫瘤は消失していた。 GPはまれな疾患であり、40~50代の大酒家の男性に多いとされ、腹痛や閉塞性黄疸のほか、十二指腸閉塞を発症した報告が散見される。アルコールやタバコにより、十二指腸のBrunner線の過形成が発生し、副乳頭からの膵液排出を低下させるという説もあるが、いまだ十分には解明されていない。また副膵管に発生した悪性腫瘍が原因となることもあるため、厳重な経過観察が必要と考えられた。 |
索引用語 | groove pancreatitis, 閉塞性黄疸 |