セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 089:FDG-PET検査を契機に診断された胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)の1例 |
演者 | 野尻 圭一郎(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科) |
共同演者 | 井上 宏之(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 山田 玲子(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 稲垣 悠二(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 為田 雅彦(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 二宮 克仁(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 田野 俊介(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 濱田 康彦(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 葛原 正樹(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 堀木 紀行(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 竹井 謙之(三重大学医学部附属病院 消化器肝臓内科), 伊佐地 秀司(三重大学医学部附属病院 肝胆膵移植外科) |
抄録 | 症例は82歳の女性。2008年肺小細胞癌に対して右肺上葉切除術を施行された。術後化学療法施行の後、経過観察されていたが2011年4月施行のPET-CTにて肝門部にSUV3.5の集積が認められたため当科へ紹介入院となった。腹部エコーでは、肝内胆管前区域に17mm大の嚢胞性病変があり、その口側に約10mm大の高エコーの結節が認められた。膵ダイナミックCTでは、肝内胆管前区域に嚢胞性病変があり、エコーで指摘された結節は不明瞭であった。MRIでは、肝内胆管前区域近傍にT1 low、T2 high の嚢胞性病変が認められるたが、やはり結節は不明瞭であった。EUSでは、門脈の左右分枝直後の右枝近傍に13mm大の多房性嚢胞があり、嚢胞内部に高エコーを示す結節性病変が認められたが胆管との交通は認めなかった。ERCPでは乳頭の開大や粘液の排出はなかった。胆道造影では、造影剤を圧入するも嚢胞性病変は描出されなかった。右肝内胆管からのIDUSでは右門脈に接した12mm大の多房性嚢胞があり、内部に高エコーの結節を認めた。胆汁細胞診は陰性であった。以上の結果よりIPNBが疑われ、肝前区域切除術が施行された。病理結果は、肝門部の拡張胆管内で複雑な乳頭状構造を呈し増殖する腫瘍がみられた。上皮は丈の低い円柱状で淡好酸性の胞体を呈しており、小腺房状に分布する腫瘍成分を含む胆管外間質により胆管の圧排が見られた。胆管粘液は確認できなかったが、免疫染色はMUC-1(+)、MUC-2(+)、MUC-5AC(+)であった。以上よりIPNBと診断した。IPNBに対するPET-CTの有用性については我々の検索した範囲では症例報告を認めるのみである。存在診断、術前悪性診断におけるPETの有用性、位置付けにはさらなる検討が必要である。 |
索引用語 | IPNB, FDG-PET |