セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 080:

左気管支閉塞をきたした食道癌のQOLを劇的に改善した1例

演者 館 正仁(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科)
共同演者 田中 善宏(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 加納 寛悠(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 桜谷 卓司(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 棚橋 利行(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 佐々木 義之(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 今井 寿(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 名和 正人(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 松橋 延壽(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 奥村 直樹(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 野中 健一(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 長瀬 通隆(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 高橋 孝夫(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 山口 和也(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 長田 真二(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 二村 学(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科), 吉田 和弘(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科)
抄録 症例は68歳、男性。平成23年12月初旬より嚥下痛を認め、内視鏡で門歯より30cmの部位に2型の進行食道癌を認めた。CTでは左の気管への浸潤を認め、リンパ節転移も疑われた。化学療法を施行したが腫瘍縮小はほとんど認めず、経口摂取も不可能となったため4月下旬に食道バイパス術を施行した。気管浸潤も認めることから呼吸器合併症の可能性も考慮し、気管切開術を同時に施行した。術後、人工呼吸器管理のもとICU入室となった。術後1日目のレントゲンでは左肺の含気不良を認め、腫瘍による閉塞が考えられた。術後2日目より酸素化不良となり、気道開通を行わなければ人工呼吸器からの離脱は困難であると考えられた。そのため、挿管チューブに側溝をあけ閉塞部位を拡張する形で気切部より気道確保を行った。その後、含気良好となり酸素化も改善したため、人工呼吸器を離脱し、術後3日目に一般病棟へ転棟した。全身状態安定し放射線治療、抗がん剤治療により腫瘍縮小を認め、気管切開部も閉鎖可能となり退院できるまで回復した。当院では同様の症例を2例経験しており、腫瘍による気道閉塞を伴った患者を思考を凝らした気道確保により退院可能まで回復できたので報告する。
索引用語 食道癌, 腫瘍閉塞