セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 085:

中等症胆管炎に対する内視鏡的ドレナージ時期に関する検証

演者 野尻 優(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 )
共同演者 坂 哲臣(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 大脇 俊宏(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 吉峰 崇(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 青木 美帆(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 岩崎 弘靖(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 金本 高明(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 野村 智史(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 日下部 篤宣(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 蟹江 浩(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 山田 智則(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 林 克巳(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 ), 折戸 悦朗(名古屋第二赤十字病院 消化器内科 )
抄録 【背景】我々は急性胆管炎の重症度分類に、日本語版ガイドライン『科学的根拠に基づいた急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン』を用いている。ドレナージ時期は、Tokyo consensus meetingにおいて、特に中等症に関して一致をみない。当院では中等症胆管炎のドレナージは、原則待機的に平日日勤帯に行っている。【目的】当院における中等症胆管炎のドレナージ時期について検証する。【対象】2010年5月1日から2011年3月31日の期間、当院を受診した中等症胆管炎で内視鏡的ドレナージが施行された47例。【方法】対象をドレナージ施行24時間未満の群(21例)と24時間以上の群(26例)の2群にわけ、入院期間中の重症化の頻度および重症化因子の推移を後ろ向きに検討する。【結果】経過中、日本語版ガイドラインの重症クライテリアをみたした症例は、両群ともに認めなかった。一方、国際版ガイドライン『Tokyo Guideline for management of acute Cholangitis and cholecystisis』の重症クライテリアを、ドレナージ施行24時間未満の群では4/21例(19.0%)、24時間以上の群では2/26例(7.7%)(p=0.246)で満たしたが有意差はなかった。次に、国際版の重症因子各項目に関して検討した。カテコラミンを要する低血圧は両群で認めなかった。GCSは ドレナージ施行24時間未満の群と24時間以上の群で、それぞれ14.9±0.3、15.0±0.2(p=0.370)で有意差はなかった。PaO2/FiO2 ratio<300となった症例は、それぞれ4/18例(22.2%),2/16例(12.5%)(p=0.458)で有意差はなかった。INR>1.5となった症例は両群で認めなかった。血小板数<10万となった症例は、それぞれ3/21例(14.3%)、2/26例(7.7%)(p=0.466)で有意差はなかった。【結論】中等症胆管炎の内視鏡的ドレナージは待機的に行えばよいと推測する。今後前向きに介入研究を予定する。
索引用語 急性胆管炎, 内視鏡的ドレナージ