セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 043:正常肝に発生し、B3肝内胆管狭窄を伴い、肝内胆管癌との鑑別を要したPeribiliary cystの1切除例 |
演者 | 佐藤 梨枝(三重大学 肝胆膵・移植外科) |
共同演者 | 種村 彰洋(三重大学 肝胆膵・移植外科), 大澤 一郎(三重大学 肝胆膵・移植外科), 岸和田 昌之(三重大学 肝胆膵・移植外科), 水野 修吾(三重大学 肝胆膵・移植外科), 櫻井 洋至(三重大学 肝胆膵・移植外科), 山田 玲子(三重大学 消化器・肝臓内科), 井上 宏之(三重大学 消化器・肝臓内科), 伊佐地 秀司(三重大学 肝胆膵・移植外科) |
抄録 | Peribiliary cyst は肝門部を中心に存在する多発嚢胞性疾患で、比較的太い胆管に発生する肝内胆管付属腺由来の貯留嚢胞と考えられている。基礎疾患として肝障害を伴う症例が多い。今回正常肝に発生し、胆管狭窄をきたし、胆管癌との鑑別を要したPeribiliary cystの1例を経験した。症例は46歳女性。生来健康であったが、来院半年前から心窩部痛を認め、近医を受診。肝外側区域に嚢胞性腫瘤を指摘され、精査目的に当院紹介となった。血液検査では肝胆道系酵素の上昇はなく、CA19-9 が42.7 U/mlと軽度上昇していた。CTで肝門部胆管から左肝管、B2胆管周囲に沿って小嚢胞が多発、集簇していた。門脈臍部は嚢包に圧排され、S3肝実質は委縮していた。3か月後のCTでは、嚢胞は増加し、胆嚢床左側へと進展していた。DIC-CT , ERCPではB3胆管の狭窄を認めたが、その末梢側の胆管拡張はなく、また胆管と嚢胞との交通は認めなかった。以上から多発嚢包性病変はPeribiliary cystが最も疑われた。胆管狭窄の原因としては嚢胞による圧排が考えられたが、肝内胆管癌を合併している可能性を否定できず、手術の方針となった。腹腔鏡補助下肝左葉切除を施行した。病理組織所見では、胆管周囲を中心に、1層の胆管上皮類似の上皮で覆われた嚢胞が多発しており、Peribiliary cystと診断した。B3胆管狭窄部を含め、胆管に腫瘍性病変を認めなかった。Peribiliary cystは無症状ならば経過観察が基本とされる。本症例は術前Peribiliary cystが疑われたが、短期間に嚢胞が増加していたこと、また肝内胆管狭窄を伴い肝内胆管癌が否定できなかったことから、切除を考慮すべき1例と考えられた。 |
索引用語 | peribiliary cyst, 胆管狭窄 |