セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 053:小腸カプセル内視鏡における小腸通過時間と加齢性変化についての検討 |
演者 | 名倉 明日香(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学) |
共同演者 | 大宮 直木(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 中村 正直(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 水谷 太郎(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 山村 健史(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 石原 誠(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 山田 弘志(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部), 大野 栄三郎(名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部), 宮原 良二(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 伊藤 彰浩(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 廣岡 芳樹(名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部), 前田 修(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 渡辺 修(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 安藤 貴文(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学) |
抄録 | 【目的】近年、消化管運動能の指標としてSmartPillや磁性体追跡システムが用いられている。今回、消化管運動機能の指標として、カプセル内視鏡の胃・小腸通過時間を用い、消化管運動能の加齢変化を調べ、さらに消化管運動能と栄養状態との関連性を検討する。【方法】2003年6月から2012年5月までに当院でカプセル内視鏡を施行した640例中、胃・小腸に異常所見を認めなかった172例(年齢:58±18歳、11~90歳)を対象とした。消化管手術歴のある症例は除外した。栄養状態の指標は血清蛋白値、アルブミン値を用いた。【成績】小腸通過時間は20歳未満(5例)で175±79分、20歳以上30歳未満で(15例)186±72分、30歳以上40歳未満で(13例)286±81分、40歳以上50歳未満で(13例)281±109分、50歳以上60歳未満(25例)254±76分、60歳以上70歳未満(44例)267±90分、70歳以上80歳未満(42例)287±87分、80歳以上(15例)では249±78分であった。年齢と小腸通過時間の相関係数は0.45、p=.0189と相関関係を認め、加齢に伴い小腸通過時間は延長することが判明した。血清蛋白値、血清アルブミン値の各年齢別検討では血清蛋白値はほぼ一定していた。一方血清アルブミン値は20歳未満4.2±0.4g/dl、20歳以上30歳未満4.2±0.3g/dl、30歳以上40歳未満3.8±0.5g/dl、40歳以上50歳未満4.0±0.2g/dl、50歳以上60歳未満4.0±0.4g/dl、60歳以上70歳未満3.6±0.7g/dl、70歳以上80歳未満3.5±0.5g/dl、80歳以上3.2±0.5g/dlであり、年齢と血清アルブミン値の相関関係を検討した所、相関係数は-0.4、p<.0001と加齢と共にアルブミン値としての栄養状態は低下していると言えた。さらに小腸通過時間と血清アルブミン値の間には有意差は出なかったものの(p=.07)アルブミン値が低いと小腸通過時間は延長する傾向があった。【考察】加齢に伴い小腸運動能は低下し、血清アルブミン値も低下するが、今後その関連性、機序を解明する必要がある。 |
索引用語 | 小腸, カプセル内視鏡 |