セッション情報 一般演題

タイトル 082:

肝硬変,慢性腎不全合併の胃癌食道癌患者に対し2期分割手術を行い安全に切除しえた1例

演者 平田 明裕(名古屋大学大学院 腫瘍外科)
共同演者 深谷 昌秀(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 板津 慶太(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 臼井 弘明(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 江畑 智希(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 横山 幸浩(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 國料 敏男(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 角田 伸行(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 伊神 剛(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 菅原 元(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 上原 圭介(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 吉岡 裕一郎(名古屋大学大学院 腫瘍外科), 亀井 譲(名古屋大学大学院 形成外科), 梛野 正人(名古屋大学大学院 腫瘍外科)
抄録 症例は66歳男性.2010年7月の検診で異常を指摘され近医で食道癌,胃癌と診断された.アルコール性肝硬変,慢性腎不全のリスクのため当院へ紹介となった.ICG15分値:20.6%,K値 0.109.BUN/CRE 49/1.89,GFR 46であった.食道癌【TNM7th;MtT3N1(106recR)M0 cStageIII】,胃癌【TNM7th;T2(MP)N0M0stageIB】であった.慢性腎不全のため術前化学療法は難しいと判断した.2010年9月に1期目手術:右開胸開腹食道亜全摘術2領域郭清(頚部,胸部),食道皮膚瘻,胃瘻造設術を行った.手術時間5時間37分,出血量318mlであった.術後CD腸炎となったが徐々に回復した.11月に2期目手術:胃全摘術,胃管瘻孔切除,遊離有茎空腸再建術,血行再建術施行した.手術時間は7時間47分,出血量は397mlであった.病理所見では食道癌:por diff Squamous cell carcinoma,pT2(pMP),pN2,INFb,ly2,v1,   胃癌:mod diff tubular adenocarcinoma,intermediate type,INFb,ly1,v0pT1bであった.術後誤嚥のため嚥下リハビリを行った後,食事開始となり無事退院となった.1期目72日目,2期目38日で退院となった.現在術後2年経過しているが無再発生存中である.食道癌に対する2期分割手術は,リスクの高い症例に対する手術侵襲を軽減する方法として報告されている.今回われわれは肝障害,腎障害の合併症を有するハイリスクの胃癌食道癌に対して,根治切除し小腸再建術を安全に施行しえたので報告する.
索引用語 食道癌, 2期分割