セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
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タイトル | 063:急性大動脈解離発症後、壊死性虚血性大腸炎を来した一例 |
演者 | 藤井 温子(静岡県立総合病院 消化器内科) |
共同演者 | 菊山 正隆(静岡県立総合病院 消化器内科), 永倉 千紗子(静岡県立総合病院 消化器内科), 上田 樹(静岡県立総合病院 消化器内科), 奥野 真理(静岡県立総合病院 消化器内科), 重友 美紀(静岡県立総合病院 消化器内科), 山田 友世(静岡県立総合病院 消化器内科), 黒上 貴史(静岡県立総合病院 消化器内科), 白根 尚文(静岡県立総合病院 消化器内科), 鈴木 直之(静岡県立総合病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は60代、男性。約2年前に急性大動脈解離DeBakeyΙΙΙb型を発症し、当院循環器内科で降圧管理で保存的に治療後、外来で経過をみられていた。10日ほど前より下腹部痛が出現し、腹部レントゲンでイレウス像を認めたため、当科へ紹介された。造影CTで虚血性腸炎、小腸サブイレウスの診断で、腸管の造影効果、CA、SMA、IMAの血流が保たれていたことから絶食、補液による保存的治療の方針となった。約1ヶ月の治療後、一部腸炎像は残存するものの、サブイレウスの所見は消失し、経過良好として退院となった。退院から約3週間後、排便時から突然の腹痛・嘔気が出現し、当院救急外来を受診。腹部CTで門脈内ガスを認め、腸管壊死の疑いで再入院となった。全身状態不良のため、まずは絶食・補液で保存的に治療を開始。徐々に腹痛の改善を認め、入院9日目の腹部造影CTでは上行結腸炎の所見は残存するも改善を認め、腸管壁の造影効果も保たれていた。入院13日目に施行した大腸内視鏡では、上行結腸に全周性の粘膜発赤と腫脹を認め、一部に縦走潰瘍を伴っていた。また粘膜の一部は暗赤色を呈し、腸管虚血による壊死性腸炎が疑われた。比較的良好な経過から、保存的治療を継続する方針となり、再発予防のために抗凝固療法を開始。その後腹部症状も改善し、経過良好として入院30日目に退院となった。現在虚血性腸炎の再発は認めていない。壊死性虚血性腸疾患は、大動脈疾患およびその術後の合併症として散見されるが、その成因に関しては不明な点が多い。自験例では経過から血栓性の腸管虚血が考えられた。 |
索引用語 | 壊死性虚血性腸炎, 大動脈解離 |