セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 069:

外科的切除で脾悪性リンパ腫と診断できた一例

演者 藤井 温子(静岡県立総合病院 消化器内科)
共同演者 菊山 正隆(静岡県立総合病院 消化器内科), 大場 範行(静岡県立総合病院 消化器外科), 青野 麻希(静岡県立総合病院 血液内科), 西岡 裕次郎(静岡県立総合病院 消化器外科), 野村 明芳(静岡県立総合病院 消化器外科), 永倉 千紗子(静岡県立総合病院 消化器内科), 上田 樹(静岡県立総合病院 消化器内科), 奥野 真理(静岡県立総合病院 消化器内科), 重友 美紀(静岡県立総合病院 消化器内科), 山田 友世(静岡県立総合病院 消化器内科), 黒上 貴史(静岡県立総合病院 消化器内科), 白根 尚文(静岡県立総合病院 消化器内科), 鈴木 直之(静岡県立総合病院 消化器内科)
抄録 症例は80代、男性。主訴は左側腹部痛で、前医での腹部エコーで脾にφ7mmの腫瘤を認め、当院消化器内科へ紹介された。当科で施行した造影CTでは脾にφ82mmの不整形腫瘤を認め、腫瘤辺縁には淡い造影効果、就寝部には出血性壊死を伴っていた。左閉鎖リンパ節がφ22mmと腫大していた。SPIO MRIでは脾頭部と内側はSPIOで信号低下、外側尾側にφ85mmの腫瘍を認め、周囲への浸潤所見は認めなかった。PET-CTでは脾にSUV max;14.7のφ80mmの病変、辺縁部に高集積を認めた。左閉鎖リンパ節にSUV max;20.0の集積があり、胸腰椎にもFDG陽性病変が多発していた。以上から、脾悪性腫瘍、左閉鎖リンパ節転移、多発骨転移の疑いで、診断目的に当院外科で脾臓摘出術を施行した。腫瘍は中等大~大型の異型細胞の浸潤性増生巣からなり、腫瘍細胞はCD79a、CD20にびまん性陽性で、CD3、AE1/3+CAM5.2は陰性。CD31は弱陽性であり、脾原発Diffuse large B cell lymphomaの診断であった。術後は全身化学療法を施行し治療効果良好であったが、経過中に間質性肺炎を合併し、呼吸不全、多臓器不全で診断から約3か月後に死亡した。脾原発の悪性リンパ腫は悪性リンパ腫のうちでも非常にまれな疾患であり、その診断に難渋することが多い。本邦での報告例と併せて、脾悪性リンパ腫の診断と治療戦略について考察する。
索引用語 脾悪性リンパ腫, diffuse large b cell lymphoma