セッション情報 一般演題

タイトル 009:

外科切除を行った肝転移を伴う高分化型膵内分泌癌の症例

演者 重友 美紀(静岡県立総合病院 消化器内科)
共同演者 菊山 正隆(静岡県立総合病院 消化器内科), 永倉 千紗子(静岡県立総合病院 消化器内科), 上田 樹(静岡県立総合病院 消化器内科), 奥野 真理(静岡県立総合病院 消化器内科), 山田 友世(静岡県立総合病院 消化器内科), 黒上 貴史(静岡県立総合病院 消化器内科), 白根 尚文(静岡県立総合病院 消化器内科), 鈴木  直之(静岡県立総合病院 消化器内科), 伊関 丈治(静岡県立総合病院 外科), 新井 一守(静岡県立総合病院 病理診断科)
抄録 [症例]61歳男性[主訴]血痰[現病歴]血痰を主訴に近医で実施したCTで膵体尾部腫瘤を認め紹介となった。[既往歴]特記事項なし[身体所見]特記事項なし[検査結果]腹部超音波検査にて膵体尾部に35mmの低エコー腫瘤を認め,腹部ダイナミックCTでは体尾部に突出する67mmの分葉状腫瘤で,早期相から不均一に濃染し,一部は石灰化していた。MRIではT1強調画像で低信号,T2強調画像/diffusionで高信号の腫瘤として描出された。また,CT,MRI,腹部超音波検査ともに肝に多発する腫瘤性病変(8個)を認めた。膵内分泌腫瘍、腺房細胞癌を考慮し,EUS下穿刺を実施したところ,神経内分泌腫瘍(CD56+,synapthophysin+,chromograninA+,NSE+)の結果であった。肝転移を認めていたが,肉眼的に切除し得れば長期生存が期待できると考え,外科切除を実施した。膵体尾部切除に加えて,脾臓・胆嚢摘出術,また肉眼的に確認し得る肝転移巣の切除を実施した。術後病理は高分化型の膵神経内分泌癌で,肝腫瘤については8個中4個で組織学的に転移巣と確認された(残り4個中2個は血管腫,2個は腫瘍を確認できなかった)。術後半年経過した現在,明らかな再発なく経過している。[結語]多発肝転移を伴う膵内分泌腫瘍の切除症例を経験したので報告した。膵内分泌癌については現在確立された化学療法はなく,転移巣を認めても切除可能であれば外科治療を行うことで長期予後が見込めると言われている。
索引用語 膵内分泌癌, 多発肝転移