セッション情報 一般演題

タイトル 012:

Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)との鑑別が困難であった低分化型膵管癌の一例

演者 林 大樹朗(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学)
共同演者 廣岡 芳樹(名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部), 伊藤 彰浩(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部), 伊藤 裕也(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 中村 陽介(名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部), 平松 武(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 杉本 啓之(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 鷲見 肇(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部), 中村 正直(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 宮原 良二(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 藤井 努(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器外科学), 小寺 泰弘(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器外科学), 後藤 秀実(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学DELIMITER名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部)
抄録 【症例】70歳代、男性。【既往歴】平成10年、早期胃癌にて内視鏡的粘膜切除術施行、平成12年、前立腺癌にて前立腺全摘除術施行。【現病歴】平成24年6月、当院循環器内科入院中に実施した腹部造影CTにて、膵頭下部の腫瘍性病変を指摘され精査となった。腫瘍マーカーは、CEAは基準範囲内、CA19-9は81U/mlと軽度上昇を認めた。体外式USでは病変の描出は困難であった。単純CTでは病変は膵頭下部に15mm大の低吸収域として描出され、造影CTでは腫瘍辺縁に漸増性の造影効果を認めた。周囲への浸潤傾向は認めず、明らかな転移性病変は認めなかった。EUSでは膵頭下部に16×14mmの、輪郭明瞭かつ整な類円形腫瘍として描出され、側方陰影を伴っていた。内部は不均一な低エコーを呈し、中心に無エコー域が描出された。主膵管との連続性および主膵管拡張は認めなかった。Sonazoid®を用いた造影EUSでは、充実部分に一致して造影効果を認め、Color Doppler Modeでも同部に血流信号を確認した。以上より内部に嚢胞性変化を伴ったSPNと診断し、7月27日、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。最終診断は膵管癌(tubular adenocarcinoma,poorly differentiated,pT3,pCH‐,pDU‐,pN1,pPCM‐,pBCM‐,ly2,v1,ne1,fStage3)であった。Sonazoid®の適応外使用は当院IRBの承認および患者へのICのもとで使用している。【まとめ】膵管癌に非典型的な血行動態は腫瘍の組織型によるものと考えた。画像診断にてSPNと鑑別が困難であった膵管癌の一切除例を経験した。
索引用語 膵管癌, SPN