セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 008:

肺扁平上皮癌膵転移の一例

演者 加藤 裕真(公立学校共済組合 東海中央病院 消化器内視鏡センター)
共同演者 大塚 裕之(公立学校共済組合 東海中央病院 消化器内視鏡センター), 森島 大雅(公立学校共済組合 東海中央病院 消化器内視鏡センター), 石川 英樹(公立学校共済組合 東海中央病院 消化器内視鏡センター)
抄録 【症例】71歳 男性【主訴】胸部レントゲン・胸部CTにて右下葉異常陰影の指摘【既往歴】特記すべきことなし【家族歴】特記すべきことなし【生活歴】喫煙:10本/日(44年間喫煙 64歳にて禁煙)【現病歴】2012年5月、近医を受診。胸部レントゲン・胸部CTにて右下葉異常陰影を指摘され、当院呼吸器内科を紹介受診された。胸部CTにて空洞形成を伴う右下葉腫瘤・右肺門、縦隔リンパ節の腫大が認められた。腫瘍マーカーはSCC16.3 シフラ21 29 pro GRP 69 CEA6.7と上昇を認めるがCA19-9は17.4と正常範囲内であった。 2012年5月、気管支鏡検査で扁平上皮癌と診断された。転移巣の全身検索の目的に2012年6月FDG-PET検査では膵体部、右下葉、右縦隔にFDGの集積を認めた。腹部超音波検査では、膵体部に辺縁不整な低エコー腫瘤を認め、造影CT検査では膵体部に37×30mmでやや造影される辺縁不整な腫瘍を認めた。ソナゾイド(当院のIRBで承認済み)による造影超音波検査では、動脈相で濃染あり平衡相では等エコーとなった。EUSでは、比較的辺縁整、境界明瞭な低エコー腫瘍として描出され、尾側膵管の拡張も認めなかった。ERCPでは体部主膵管でなめらかな狭窄を認めた。確定診断を得るため、EUS-FNAを施行した結果、SCCであり肺扁平上皮癌の膵転移と診断した。(cT2bN2M1 stageIV)肺癌膵転移は小細胞癌の報告が散見され、全身転移の一部としてみつかることが多く、手術適応となることが少ない。現在、全身化学療法(CBDCA+TS-1)を施行している。肺扁平上皮癌の膵転移は医学中央雑誌およびJMEDPlusで検索したところ過去10年間で本邦3例目であり稀な症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 転移性膵腫瘍, EUS-FNA