セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
016:十二指腸狭窄症状で発症し、保存的治療で改善したGroove pancreatitisの1例
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演者 |
松浦 弘尚(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科) |
共同演者 |
芳野 純治(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 乾 和郎(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 若林 貴夫(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 三好 広尚(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 小林 隆(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 小坂 俊仁(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 友松 雄一郎(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 山本 智支(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 成田 賢生(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 鳥井 淑敬(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 森 智子(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 黒川 雄太(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 細川 千佳生(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 安江 祐二(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科) |
抄録 |
症例は66歳女性で主訴は心窩部痛、嘔吐、吐血であった。既往歴は30年前に両側卵巣摘出術。現病歴として2010年1月下旬頃より心窩部痛あり、2月初旬に嘔吐、少量吐血あり、当科ヘ緊急入院となった。現症はバイタルサインに異常なし。腹部は心窩部に圧痛を認め、反跳痛は認めなかった。血液検査所見はWBC 7600/μl,Hb13.4g/dl,CRP 2.71mg/dl,T.Bil 2.0mg/dl ,AST 18IU/l, ALT 14IU/l ,ALP 350IU/l,γ-GTP 23 IU/l,Amy 93IU/l,と軽度の炎症を認めた。CEA 、CA19-9 ともに正常範囲であった。IgG4も正常範囲であった。緊急に行った上部内視鏡検査では、胃内に大量の残渣貯留と逆流性食道炎および出血を認め、十二指腸下行部に狭窄あり、スコープの挿入困難であった。狭窄部位の生検による病理結果は悪性所見を認めなかった。腹部USで総胆管は上部~中部は10.5mmと拡張あり、主膵管も3.1mmと軽度拡張を認めた。膵頭部から乳頭部・十二指腸下行部にかけて約35×2mmのlow echoic massを認めた。腹部単純造影CT検査では、膵頭十二指腸領域に膵実質と同程度に造影されるびまん性腫瘤を認め、十二指腸下行部の狭窄を認めた。MRCPでは異常を認めなかった。低緊張性十二指腸造影検査は、十二指腸下行部での全周性狭窄を認めた。以上より、Groove pancreatitisによる十二指腸狭窄と診断し、絶食・中心静脈による保存的加療とした。第8病日にP型アミラーゼ485IU/lと急性膵炎を発症したが、保存的治療を続けることで改善し、膵頭部腫瘤も徐々に縮小した。十二指腸下行部の狭窄の改善は不完全であったが、本人希望もあり、外科的手術を行わず、さらに約1ヵ月保存的治療を続け改善が見られ退院となった。十二指腸狭窄症状で発症したが、保存的治療により改善したGroove pancreatitisの1例を経験したので文献的に考察を加え、報告する |
索引用語 |
Groove pancreatitis, 十二指腸狭窄 |