セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 035:

消化管出血を契機に発見,外科的切除にて確定診断を得た十二指腸原発カルチノイド腫瘍の一例

演者 横山 晋也(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科)
共同演者 大久保 賢治(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科), 森田 清(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科), 竹内 淳史(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科), 金沢 宏信(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科), 清水 潤一(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科), 竹山 友章(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科), 橋詰 清孝(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科), 西村 大作(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科), 片田 直幸(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 消化器科), 久留宮 康浩(JA愛知厚生連 豊田厚生病院 外科)
抄録 【患者】67歳女性.【主訴】ふらつき,黒色便,倦怠感.【現病歴】2012年X月,入院の前日より倦怠感を自覚した.入院日夕方にふらつきあり,当院に救急搬送された.【入院時身体所見】血圧90/54mmHg,心拍数112/分,体温37.1度,冷汗あり.眼瞼貧血あるが,黄疸なし.呼吸音清,心雑音なし.腹部平坦,軟,圧痛を認めない.直腸診で多量黒色便あり.【入院時検査所見】BUN35.3mg/dl,Cre0.48mg/dl,RBC175×104/mm3,Hb5.7g/dl.ダイナミックCTで十二指腸下行脚に動脈相で濃染する2cm大の腫瘤影と,壁外に辺縁から徐々に濃染される腫瘤が認められた.上部消化管出血と診断し,緊急上部消化管内視鏡検査を施行したところ,十二指腸下行脚に表面陥凹を有する粘膜下腫瘍を認め,oozingに対してトロンビンを撒布して終了した.【入院後経過】絶飲食,PPI投与,赤血球濃厚液輸血で治療開始.腹部MRIでは十二指腸の血管腫と壁外の神経原性腫瘍が疑われ,血管造影検査では,ともにPSPDAから供血され,十二指腸腫瘍は全体に濃染,壁外腫瘍は辺縁のみ造影効果を認めた.悪性腫瘍の可能性も否定できないことから,第25病日膵頭十二指腸切除術を施行した.病理学的検索で十二指腸原発カルチノイド腫瘍とそのリンパ節転移であると診断した.術後経過良好で第41病日退院した.【考察】本症例は消化管出血を契機に発見,外科的切除にて確定診断を得た十二指腸原発カルチノイド腫瘍の一例であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 十二指腸, カルチノイド腫瘍