セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 048:増大傾向を認めたFNHの1例 |
演者 | 内田 元太(刈谷豊田総合病院 内科) |
共同演者 | 仲島 さより(刈谷豊田総合病院 内科), 井本 正巳(刈谷豊田総合病院 内科), 濱島 英司(刈谷豊田総合病院 内科), 中江 康之(刈谷豊田総合病院 内科), 坂巻 慶一(刈谷豊田総合病院 内科), 松井 健一(刈谷豊田総合病院 内科), 小林 健一(刈谷豊田総合病院 内科), 鈴木 敏行(刈谷豊田総合病院 内科), 伊藤 誠(刈谷豊田総合病院 病理科) |
抄録 | 症例は22歳,男性.主訴は右側副部痛.既往歴は2006年感染性腸炎にて入院.飲酒歴,常用薬なし.2012年1月30日に右側副部痛が出現し,近医を受診,採血にてWBC 12800/μl, CRP 4.3mg/dlと炎症反応を認めた.抗生剤で改善しないため2月7日に当科紹介受診,腹部単純CTで右副腎破裂と肝左葉に長径6cmの腫瘍を疑い,同日入院となった.副腎出血は保存的に止血し,その後肝腫瘍精査を施行した.採血ではWBC 8500/μl, CRP 3.29mg/dlと軽度の炎症を認めた.AFP, PIVKA-IIは基準値内であった.USでは脂肪肝を背景に境界不明瞭で内部不均一な低エコー腫瘍として描出された.造影早期から強く造影され,Kuppfer相では周囲肝実質と同等の染影を認めた.ダイナミックCTでは,腫瘍は境界明瞭な分葉状で,造影早期相にて強く造影され,内部に増強不良な索状構造も認めた.後期相では辺縁は被膜状に軽度の造影効果が残存し,内部は肝実質と同程度の造影であった.EOB-MRIではT1強調像で軽度低信号,T2強調像では軽度高信号で,ダイナミックでは早期から後期にかけて濃染を認めた.肝細胞相では高信号であった.angio CTでは腫瘍は左肝動脈から栄養され,CTAで早期から後期にかけて濃染し,CTAPでdefectとなった.以上からFNHを疑ったが2006年のUS,CTでは肝腫瘍は指摘されておらず,腫瘍は増大していると判断,悪性疾患も否定できず肝生検を施行した.病理組織では,グリソン鞘様の広い間質に偽胆管の増生と種々の程度の線維化を認め,FNHとして矛盾しない所見であり,外来で経過観察となった.本症例は副腎破裂の際に偶発的に発見されたが,増大するFNHは比較的まれであり,今回報告する. |
索引用語 | FNH, 増大 |