セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 045:乳癌術後タモキシフェン内服により肝機能の悪化を認めたNASHの一例 |
演者 | 大城 昌史(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科) |
共同演者 | 菅 敏樹(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科), 嶋崎 宏明(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科), 水野 裕子(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科), 中野 卓二(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科), 村尾 道人(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科), 新田 佳史(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科), 原田 雅生(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科), 川部 直人(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科), 橋本 千樹(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科), 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大学 医学部 肝胆膵内科) |
抄録 | 【症例】49歳女性。162.cm、66.kg、BMI25.2。近医にて高脂血症、脂肪肝、逆流性食道炎、過敏性腸症候群に対しプラバスタチンナトリウム、ラベプラゾールナトリウム、ドンペリドン内服にて治療中であった。2011年5月右乳癌と診断され6月16日右乳癌に対し乳房温存術を施行。7月7日より放射線治療を1ヶ月間施行し、7月20日よりタモキシフェンを開始した(AST89、ALT74)。2012年6月にAST169、ALT154と悪化を認めたため当科を紹介された。肝のCT値は39 (脾46)と低下していた。肝硬度は3.89m/sと著明高値であった。肝組織所見はMatteoni分類でtype3、NAFLD activity score(NAS)は脂肪化2点、炎症1点、肝細胞障害(肝細胞風船用腫大)2点の計6点、Brunt分類でgrade2 stage3と著明な肝障害を認めた。タモキシフェン中止しトレミフェンに変更し、ウルソデオキシコール酸、ビタミンE、ベザフィブラート内服を開始した結果、1ヵ月後にはAST56、ALT31と改善を認めた。【考察】本例は脂肪肝にて治療していたが、乳癌術後にタモキシフェンを投与したところ肝機能の悪化を認め、肝生検にてNASHと診断された。タモキシフェン中止しベザフィブラートを投与し肝機能の改善を認めた。NASHの進行におけるタモキシフェンの関与及びタモキシフェン投与中の肝機能悪化に対する処置について考察する。 |
索引用語 | NASH, タモキシフェン |