セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 059:直腸MALTリンパ腫の1例 |
演者 | 濱野 真吾(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学) |
共同演者 | 城 卓志(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 片岡 洋望(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 神谷 武(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 谷田 諭史(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 森 義徳(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 溝下 勤(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 海老 正秀(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 尾関 啓司(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 塚本 宏延(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 田中 守(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 西脇 裕高(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 片野 敬仁(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学), 林 則之(名古屋市立大学 大学院 消化器・代謝内科学) |
抄録 | 症例は79歳、男性。主訴は血便。2006年1月に血便を認め近医を受診した。注腸X線検査でポリープを指摘され、大腸ポリープ切除目的に当院に紹介受診となった。下部消化管内視鏡検査で、直腸に浮腫状の発赤粗造粘膜が認められ生検が行われた。病理組織検査所見は小型リンパ球の密な増生が観察され、免疫染色はCD20+、CD79a+、CD3-、CD5-、CD10-、BCL2+、CCND1±であった。API2/MALT1転座は陰性であった。以上の結果より直腸MALTリンパ腫と診断され、当院血液内科を受診しその後経過観察となった。2008年6月の下部消化管内視鏡検査を最後にしばらく通院が途絶えていたが、2012年1月に近医より直腸MALTリンパ腫精査のため当科に紹介受診され、下部消化管内視鏡検査が施行された。肛門管直上からRaまで全周性の発赤した隆起性病変が認められた。PET-CTで左頚部リンパ節への集積が認められたため、左頚部リンパ節の生検が施行されワルチン腫瘍と診断された。Lugano分類でStageIと診断され、血液内科でR-CVP療法が4サイクル行われた。治療後の2012年8月の下部消化管内視鏡検査では直腸に潰瘍瘢痕が散在する所見が認められるのみであった。直腸MALTリンパ腫に対して、以前は外科的切除が一般的であったが、近年は放射線療法や化学療法、ピロリ菌の除菌療法が著効したという報告が見られる。今回、比較的まれな直腸MALTリンパ腫の症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | MALTリンパ腫, 直腸 |