セッション情報 |
シンポジウム 「自己免疫関連消化器疾患の診断と治療」
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タイトル |
S-007:自己免疫膵炎に対するステロイド治療の問題点
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演者 |
山本 智支(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科) |
共同演者 |
乾 和郎(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科), 三好 広尚(藤田保健衛生大学 坂文種報徳会病院 消化器内科) |
抄録 |
【目的】自己免疫性膵炎(以下AIP)に対してステロイド投与が行われているが,適正な維持療法は確立していない。今回,AIPのステロイド治療中に生じた合併症と再燃を中心にステロイド治療の問題点を検討した。【対象と方法】対象は1997年7月から2012年8月までの間に当科ならびに関連施設でAIPと診断した24例で,平均観察期間は43ヶ月(3~144ヶ月),平均年齢は64歳(30~85歳),性別は男性20例,女性4例(男女比5:1)であった。24例について経過中に発生した偶発症,再燃症例におけるステロイド治療の有無,維持療法の有無,再燃時の臓器などをretrospectiveに検討した。【結果および考察】ステロイド治療は20例に行われており,ステロイドの初期投与量は20~40mgであった。初発時に未投与であったのは4例であったが,いずれも切除例であった.この4例のうち2例は再燃時にステロイドが投与されていた。 ステロイド治療中の偶発症(重複あり)としては,死亡例が3例あり,原因は敗血症,間質性肺炎,呼吸不全が各1例であった。糖尿病増悪が3例,ステロイドによる免疫力の低下が原因と考えられる感染症が2例(MRSA肺炎・脊椎炎、肝膿瘍),特発性血小板減少性紫斑病が1例に認められた。 経過中に再燃を8例10回(2例は再々燃)に認めた。再燃した臓器は,膵が7例,胆管2例,後腹膜2例,顎下腺1例,肺1例であった。再燃した10回のうち7回はステロイド中止後であったが,3回はステロイド維持療法中で,再燃した臓器は膵・胆管・肺・唾液腺の1例と後腹膜線維症の2例であり,ステロイド維持療法中に再燃した症例は,膵外の複数の臓器に再燃する特徴があることが示唆された。【結語】AIPではステロイド中止後はもちろん,投与中も再燃に対して管理する必要がある。 |
索引用語 |
自己免疫性膵炎, ステロイド |