セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 030:

腹部症状より下肢紫斑が先行し、全消化管を観察しえたHenoch-Schönlein紫斑病(HSP)の1例

演者 安江 祐二(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科)
共同演者 芳野 純治(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 乾 和郎(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 若林 貴夫(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 小林 隆(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 三好 広尚(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 小坂 俊仁(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 友松 雄一郎(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 山本 智支(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 松浦 弘尚(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 成田 賢生(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 鳥井 淑敬(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 森 智子(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 黒川 雄太(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科), 細川 千佳生(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 消化器内科)
抄録 症例は37歳女性、主訴は腹痛、下肢の紫斑であった。既往歴として10年前に帝王切開術を受けている。現病歴は入院1ヶ月前に上気道炎症状があり感冒薬内服にて軽快していた。入院2日前より両下肢に紫斑が出現し、その後腹痛、下痢を認めたため、当科を受診し精査加療を目的に入院となった。現症としてバイタルサインは異常なく、腹部は心窩部から臍部にかけて圧痛を認めたが、反跳痛は認めなかった。両下肢に点状の紫斑を認めた。血液検査所見はWBC18900と増加し、凝固系では第XIII因子活性は84%と正常であった。免疫組織学的検査では、ASLO、ASKは正常であった。上部消化管内視鏡検査(EGD)では胃幽門前庭部、十二指腸球部および下行部に多発するアフタ様びらんを認め、下部消化管内視鏡検査(CS)では回盲部・回腸末端に多発するびらんを認めた。両検査共に生検を実施し、病理組織学的検索にて、粘膜内に好中球の浸潤と軽度の出血を認め、Henoch-Schönlein紫斑病(HSP)が示唆された。重症度を調べる目的で行った小腸カプセル内視鏡検査では全小腸にわたって粘膜発赤が認められた。下肢紫斑に対して行った皮膚生検の病理組織学的所見はHSPに矛盾しなかった。以上によりHSPと診断した。絶食、補液治療にて腹部症状の改善なく、EGD・CS後の第3病日よりPSL30mg/日を開始し、すぐに腹部症状は軽快した。第7病日から食事を開始した。第17病日のEGDにて胃、十二指腸の粘膜所見の改善を認め、PSL25mg/日に漸減した。漸減後も腹部症状の再燃はなく、腎炎の発症も認められなかった。第21病日に紫斑は消退傾向となり、第23病日に退院した。 その後は外来にて経過観察していたが、2ヵ月毎にPSLを5mg漸減しても再燃なく約6ヵ月後に終診となった。下肢紫斑が腹部症状より先行し、全消化管を観察しえたHSPの1例を経験したので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 HSP, 全消化管