セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 078:食道粘膜下腫瘍上の早期癌が疑われた三例 |
演者 | 横山 敬史(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学) |
共同演者 | 宮原 良二(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大学医学部付属病院 光学医療診療部), 古川 和宏(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 水谷 太郎(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 鶴留 一誠(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 平山 裕(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 山本 富美子(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 松崎 一平(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 松下 正伸(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 中村 正直(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大学医学部付属病院 光学医療診療部), 川嶋 啓揮(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 伊藤 彰浩(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 廣岡 芳樹(名古屋大学医学部付属病院 光学医療診療部), 前田 修(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 渡辺 修(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 安藤 貴文(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器内科学DELIMITER名古屋大学医学部付属病院 光学医療診療部) |
抄録 | 今回我々は食道粘膜下腫瘍上に早期癌の合併が疑われた三例を経験したので報告する。 三例は、65歳男性、58歳女性、54歳女性。いずれも検診UGIにて胸部上部食道に腫瘤を指摘され、当院紹介となった。上部消化管内視鏡検査にて切歯列より20~22cmの胸部上部食道に粘膜下腫瘍を認め、表面に発赤した陥凹性病変を認めた。NBI併用拡大内視鏡観察にてIPCLの拡張や増生を認め、ヨード染色にて不染を認めたので早期食道癌が疑われた。超音波内視鏡検査にて粘膜病変の粘膜下層への腫瘍浸潤を疑わせる所見は認めなかった。また、粘膜下腫瘍は粘膜筋板又は粘膜下層と連続する内部均一な低エコー腫瘤として描出され、平滑筋腫または顆粒細胞腫が疑われた。以上から内視鏡的切除が可能と判断して内視鏡的粘膜下層剥離術を施行した。粘膜病変の病理的診断は一例は異型上皮(moderate dysplasia)であり、一例は生検の影響もあり、腫瘍細胞を認めなかった。また、粘膜下腫瘍は平滑筋腫であった。残る一例は治療直後であり、結果未着である。 食道粘膜下腫瘍の表面に癌が発生することは以前より指摘されている。通常の食道癌の発生要因とは別に、粘膜下腫瘍により突出した粘膜への機械的な刺激が影響している可能性が考えられている。食道粘膜下腫瘍を認めた場合、微細な粘膜病変の有無を確認することが必要である。また、粘膜下腫瘍上の病変のみを切除しても粘膜下腫瘍が残存していれば再度癌が発生する可能性が考えられるので粘膜下腫瘍を含めた一括切除が望ましいと思われる。 上記三例は超音波内視鏡検査にて粘膜下腫瘍と固有筋層の連続性が認められないことが確認出来たので、内視鏡的粘膜下層剥離術を安全に施行し粘膜下腫瘍を含め一括切除することが出来た。 |
索引用語 | 食道粘膜下腫瘍, 内視鏡的粘膜下層剥離術 |