セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 040:

Sequential biopsyからみたC型慢性肝炎IFN治療SVR後の肝発癌の特徴

演者 飯田 忠(小牧市民病院 消化器科)
共同演者 舘 佳彦(小牧市民病院 消化器科), 宮田 章弘(小牧市民病院 消化器科), 平井 孝典(小牧市民病院 消化器科), 小原 圭(小牧市民病院 消化器科), 小島 優子(小牧市民病院 消化器科), 灰本 耕基(小牧市民病院 消化器科), 佐藤 亜矢子(小牧市民病院 消化器科), 和田 啓孝(小牧市民病院 消化器科)
抄録 【目的】ここ数年C型慢性肝炎に対するIFN治療によるSustained viral response(SVR)率は向上し、さらに新たな抗HCV療法が確立されつつあり飛躍的に今後SVR率は上昇すると期待されている。しかし、一方で少数ながらSVR後に肝発癌が発生しているのが現状である。そこで我々は発癌危険因子を特定するために、SVR前後の肝線維化変化からみたSVR後の肝発癌例の特徴を非発癌例を対照に比較検討した。【方法】当院にてC型慢性肝炎に対してIFN治療が施行された387例中、SVR後の肝発癌10例を検討した。その中でSVR前後肝生検を実施できた、肝発癌症例8例(男7:女1)と、非発癌例58例(男34:女24)とを比較し検討した。【成績】治療前の肝生検像は発癌例にて(F4;1、F3;3、F2;3、F1;1)、非発癌例では(F4;2、F3;5、F2;16、F1;34、F0;1)であり、肝発癌例において有意にF2以上の比率が多かった(p<0.05)。治療後の組織像は発癌例にて(F4;3、F3;0、F2;3、F1;1)、非発癌例では(F4;3、F3;4、F2;2、F1;36、F0;13)であった。線維化の変化は発癌例にて(悪化3例、平行3例、改善2例)、非発癌例にて(悪化1例、平行31例、改善26例)であり、肝生検でF因子の悪化が認められれば有意に発癌率が高い(p<0.01)ことが認められた。【結論】SVR後の肝生検でF因子の悪化が認められれば有意に発癌率が高いことが認められ、IFN治療前後のSequential biopsyの有用性が示唆された。
索引用語 C型肝炎, SVR後