セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 079:前立腺癌の食道転移の1例 |
演者 | 金子 雅直(浜松医科大学 医学部 第一内科) |
共同演者 | 山田 貴教(浜松医科大学 医学部 第一内科), 加藤 雅一(浜松医科大学 医学部 第一内科), 市川 仁美(浜松医科大学 医学部 第一内科), 鈴木 聡(浜松医科大学 医学部 第一内科), 谷 伸也(浜松医科大学 医学部 第一内科), 佐原 秀(浜松医科大学 医学部 第一内科), 大石 慎司(浜松医科大学 医学部 第一内科), 魚谷 貴洋(浜松医科大学 医学部 第一内科), 寺井 智宏(浜松医科大学 医学部 第一内科), 高柳 泰宏(浜松医科大学 医学部 第一内科), 岩泉 守哉(浜松医科大学 分子診断学), 栗山 茂(浜松医科大学附属病院 救急部), 古田 隆久(浜松医科大学 臨床研究センター), 大澤 恵(浜松医科大学 光学診療部), 杉本 健(浜松医科大学 医学部 第一内科) |
抄録 | 症例は79歳男性。2010年12月前医にてcT3bN1M1b、stageD2の前立腺癌と診断され、ホルモン療法などを開始された。676.70ng/ml とPSAの上昇と全身多発骨転移(頭蓋骨・椎体骨・骨盤骨など)出現を認めたため、2011年11月当院泌尿器科へ紹介された。以後、ドセタキセル化学療法を5回施行するも、2012年4月にはPSAは1564ng/mlまで上昇したため、治験薬を開始されたが、2012年8月、食思不振、貧血が進行し当院泌尿器科へ入院した。同科より貧血精査の依頼あり、当科にて上部消化管内視鏡検査を施行した。内視鏡検査では、切歯列より35cmの胸部中部食道に4mm大、黄色調、表面平滑でなだらかな隆起病変を認めた。 NBI拡大観察では、表層に密な毛細血管を認めるが、不整は目立たなかった。超音波内視鏡(EUS)での観察では、第2層(粘膜層)に存在する4.0X0.9mm大の境界明瞭で均一な低エコー病変として観察された。生検施行し、組織学的には、被蓋粘膜上皮下(粘膜固有層)に泡沫状あるいは印環型の異型細胞が集簇しており、癒合管状を呈する部分も認めた。免疫組織学的には、PSA、PSAP、PSMA、P504sといった前立腺癌マーカーがいずれも陽性であり、前立腺癌の食道転移と診断した。その他、上部消化管には出血源と思われる病変はなく、貧血は薬剤あるいは原病の進行に関連するものと考えられた。 他臓器癌からの食道転移例は稀であり、中でも肺癌、乳癌、胃癌がほとんどである。その一方、前立腺癌の他臓器転移は比較的高頻度ではあるが、その多くは肺、骨、リンパ節への転移であり、我々の検索では、前立腺癌食道転移の報告は過去に4例のみである。更に、EUS、NBI、詳細な免疫組織学的検索をされたものの報告はなく、貴重な症例と考え、報告する。 |
索引用語 | 食道転移, 前立腺癌 |