セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 011:

術前FDG-PETで高集積を呈した膵solid pseudopapillary tumorの1例

演者 山田 弘武(名古屋セントラル病院 消化器内科)
共同演者 川島 靖浩(名古屋セントラル病院 消化器内科), 安藤 伸浩(名古屋セントラル病院 消化器内科), 佐藤 寛之(名古屋セントラル病院 消化器内科), 真鍋 孔透(名古屋セントラル病院 消化器内科), 小宮山 琢真(名古屋セントラル病院 消化器内科)
抄録 【症例】53歳女性。健診の腰椎Xp検査で、左上腹部に石灰化を伴う腫瘤を指摘され、精査目的で紹介された。症状、理学的所見は特になく、尿検査、血液検査結果に異常なく、各種腫瘍マーカーも正常であった。腹部CTで膵尾部に12cm大の辺縁、隔壁に石灰化を有する分葉状の腫瘤を認め、内部はiso-low吸収域、不均一で、尾側よりで不均一な造影効果を認めた。MRIでは10cm大で、尾側よりでT1low T2iso-highでGd造影で増強効果を認めた。腫瘤の頭側ではT1,T2ともにlow-high不均一でGd造影で増強効果を認めなかった。腹部超音波では膵尾部にASを伴う10cm大のSOLを認めた。超音波内視鏡では膵尾部に連続したASを伴う腫瘤と尾側にhigh-low混在する不均一な45mm大の腫瘤を認めた。PET-CTでは腫瘤の尾側よりでFDG集積を認めた。solid pseudopapillary tumor(SPT)と考え、脾合併膵体尾部切除を施行した。病理組織学的検査で、腫瘍は石灰化を伴う壁を有する陳旧化した血性内容を有するのう胞状病変と充実性腫瘍から成り立ち、充実性部分は、腺房細胞に類似する上皮様細胞の胞巣状、乳頭状造生を認め、SPTと診断した。【考察】膵SPTは、一般に若年女性に好発する膵上皮性腫瘍であり、ほとんどが良好な経過をたどるが、一部に悪性化の報告もある腫瘍である。画像検査で比較的診断がなされるが、FDG-PETを用いての評価は良悪性度の検討を含めて有用なものと考える。今回、若干の文献的考察も含めて報告する。
索引用語 膵, SPT