セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 071:副腎皮質ホルモンが奏効したPerivascular epithelioid cell tumor(PEComa)の一例 |
演者 | 石原 健二(愛知県がんセンター中央病院 内視鏡部) |
共同演者 | 田中 努(愛知県がんセンター中央病院 内視鏡部), 田近 正洋(愛知県がんセンター中央病院 内視鏡部), 近藤 真也(愛知県がんセンター中央病院 内視鏡部), 水野 信匡(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 原 和生(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 肱岡 範(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 今岡 大(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 永塩 美邦(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 長谷川 俊之(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 大林 友彦(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 品川 秋秀(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 坂口 将文(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 関根 匡成(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 吉澤 尚彦(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部), 谷田部 恭(愛知県がんセンター中央病院 遺伝子病理診断部), 廣崎 拓也(半田市立半田病院 消化器内科), 大塚 泰郎(半田市立半田病院 消化器内科), 丹羽 康正(愛知県がんセンター中央病院 内視鏡部), 山雄 健次(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部) |
抄録 | 症例は47歳男性。腹痛と1年間で25kgの体重減少を主訴に近医を受診し、CTで著明な腹水貯留と腸間膜に不均一に濃染する43mm×120mmの腫瘤を指摘され、精査加療目的に当院紹介となった。腫瘤は門脈、上腸間膜動脈、腹腔動脈を巻き込んでおり切除不能であった。組織学的評価のため腫瘤に対して超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診を行うも、リンパ球や中皮様細胞のみで腫瘍成分は認めず確定診断に至らなかった。次に外科において開腹下腫瘤生検を検討したが、術後腹水コントロールが困難となる可能性から適応外とされた。そのためCT像から悪性リンパ腫を疑い、患者に十分な説明を行った上で副腎皮質ステロイド(PSL)60mg/日を計5日間投与した。投与後、腹水の減少による腹部症状の著明な改善を認めたため開腹下腫瘤生検が行われた。開腹時の腹水は乳糜様であった。病理組織学的に腫瘤は硬化性病変と血管の増生からなり、紡錘形細胞、類上皮細胞も認められた。また免疫組織学的にはMiTF陽性を示したことからPerivascular epithelioid cell tumor(PEComa)と確定診断された。術後、確定診断まで期間を要したことから、臨床的効果のみられたPSLを40mg/日から再開し漸減したところ、1か月後のCTで腫瘤の著明な縮小と腹水の減少を認めた。現在、PSL開始後6ヵ月が経過し、5mg/日まで漸減継続中だが、腹水はほぼ消失し腫瘤の増大も認めていない。PEComaは2002年のWHO新分類で初めて取り上げられた腫瘍である。腫瘍は血管周囲に存在し多分化能を有するPerivascular epithelioid cell(PEC)を由来とする極めてまれな間葉系腫瘍の一群である。治療の第一選択は外科的切除とされているが、切除不能例に対しては未だ確立された治療はなく、最近ではm-TOR阻害剤による奏効例が報告されている。本症例はPEComaに対して副腎皮質ホルモンが奏効した初の報告である。 |
索引用語 | PEComa, 副腎皮質ホルモン |