セッション情報 一般演題

タイトル 033:

内視鏡的十二指腸ステント留置術を施行した十二指腸神経内分泌腫瘍の1例

演者 白井 修(土岐市立総合病院 内科)
共同演者 吉村 透(土岐市立総合病院 内科), 下郷 友弥(土岐市立総合病院 内科), 清水 豊(土岐市立総合病院 内科)
抄録 症例は82歳、男性。主訴は左季肋部痛、腹部膨満感。既往歴は45歳時にじん肺。81歳時に鉄欠乏性貧血(Hb11g/dl台)を指摘。当時、上部消化管内視鏡検査(以下EGD)、下部消化管検査(癒着による挿入困難でS状結腸まで)+注腸検査、腹部単純CT検査を施行し、明らかな出血源は不明であった。家族歴に特記事項なし。平成24年7月中旬より左季肋部痛と腹部膨満感が出現し近医にてEGDを施行した。以前は指摘のなかった十二指腸の腫瘤を指摘され7月26日に当科紹介となった。7月27日に当院でEGDを施行した。上十二指腸角に全周性の2型様腫瘍を認め、胃は著明に拡張し食物残渣が貯留していた。精査加療のため7月30日に入院となった。後日の病理結果からNeuroendcrine tumor(以下NET)であり、免疫染色はSynaptophysin(+)、Chromogranin A(+)、CD56(-)、CK7(-)、CK20(-)、Ki67指数10%であった。血液検査ではCa8.7mg/dl、IP3.7mg/dlと正常、ガストリン720pg/mlと高値だがインスリン5.35μIU/ml、グルカゴン140 pg/mlと正常であった。第2病日の腹部造影CT検査では胃は著明に拡張し十二指腸の壁肥厚を認めたが、リンパ節の腫大や明らかな遠隔転移は認めなかった。以上より、明らかな転移のない非機能性の十二指腸NET、WHO分類NET G2、TNM分類StageIIa、悪性度分類G2と診断した。本来なら外科的切除であったが、高齢であり手術の侵襲も大きいことから当院外科では手術困難と判断され、本人・家族にも手術の意向はなく第18病日に通過障害に対して内視鏡的十二指腸ステント留置術を施行した。ステント留置後は経口摂取可能となり現在も外来通院中である。NETとは神経内分泌に由来する腫瘍であり、進行は緩徐であるが多くは転移能を有し悪性である。近年、NETは増加傾向にあり60%以上が消化管NETで回腸や直腸に頻発するが十二指腸は比較的稀である。自験例のように高齢で治癒切除不能時には内視鏡的十二指腸ステント留置術も症状の改善に有効であった。今後の腫瘍の増悪や転移出現時には腫瘍の進行抑制に持続性ソマトスタチンアナログ製剤などの投与も有用と考えられた。
索引用語 十二指腸NET, 内視鏡的ステント留置術