セッション情報 一般演題

タイトル 049:

細胆管細胞癌の1例

演者 中野 卓二(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科)
共同演者 大城 昌史(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 菅 敏樹(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 水野 裕子(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 嶋崎 宏明(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 新田 佳史(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 村尾 道人(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 原田 雅生(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 川部 直人(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 橋本 千樹(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科), 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大学 肝胆膵内科)
抄録 症例:70歳男性。主訴:体重減少。既往歴:慢性腎不全、糖尿病、高血圧、腹部大動脈瘤。現病歴:慢性腎不全にて当院通院中に体重減少を認めたため、腹部USを施行したところ肝内腫瘍を指摘され当科受診となった。血液検査所見:肝酵素、胆道系酵素、ビリルビンの上昇は認められず、腫瘍マーカーはDUPAN2とIL-2Rの高値が認められた。HBs抗原、HCVは陰性。画像所見:腹部US:肝S4を中心にS1、S2、S3に渡り、7cmほどの境界一部不明瞭、内部は比較的均一な低エコー腫瘤像が認められた。カラードプラでは一部に血流シグナルが認められたが、全体的にhypovascularであった。単純CT:肝S1、S2、S3、S4に渡り淡い低吸収域が認められた。MRI:TI強調像では低信号、T2強調像では高信号を呈し、またT2強調像ではB2の拡張が認められた。MRCP:B2の拡張が認められた。造影US(ソナゾイド):動脈優位相では、腫瘤内に既存の血管が染影され、その後速やかに腫瘤に不均一な網目状の強い染影が認められた。門脈優位相では、腫瘤内の染影低下が認められ、一部には既存血管の持続染影が認められた。これらの採血、画像検査より、肝内胆管癌もしくは細胆管細胞癌が疑われ、肝左葉拡大切除術が施行された。切除標本:被膜形成のない白色の充実性の腫瘤を認め、また同様の性質と思われる小さな腫瘤像が多数認められた。病理所見:腫瘤内には多数の門脈域の残存が認められた。腫瘤に被膜形成は認められず、腫瘤中央にはHering管類似構造の増殖とその周囲に硝子間質が認められた。免疫組織染色では、Hepatocyte(-)、CK19(+)、CD10(-)CK7(+)、EMA apical surface(+)、Monoclonal CEA(-)であった。腫瘤内に胆管癌および肝細胞癌成分は認められず、 細胆管細胞癌と診断された。腎機能障害のため造影CT、造影MRIが施行できなかったため、造影USが診断の一助となった細胆管細胞癌について、文献的考察を加え、報告する。
索引用語 細胆管細胞癌, 造影超音波検査