セッション情報 |
一般演題(専修医(卒後3-5年))
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タイトル |
046:乳癌肝転移の一例
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演者 |
大塚 裕之(公立学校共済組合 東海中央病院 消化器内視鏡センター) |
共同演者 |
森島 大雅(公立学校共済組合 東海中央病院 消化器内視鏡センター), 石川 英樹(公立学校共済組合 東海中央病院 消化器内視鏡センター) |
抄録 |
症例は41歳、女性。主訴は心窩部不快感。既往歴は右乳癌。35歳で発症し、手術(Bq+Ax (lebel 1))、化学療法(CEF4クール)、放射線治療(50G照射)を施行し、ホルモン療法(TAM, Zol )を継続していたが、1年前に完治と診断されて治療を終了していた。その後も再発徴候はみられていなかった。現病歴は2週間前から心窩部から右季肋部に不快感あり、当院内科を受診。身体所見では自発痛はないが、心窩部圧痛を認めた。血液検査ではWBC 13000、HB 13.8、CRP 1.09、ALP 1003、AST 157、ALT 109、T-Bil 1.99であった。腹部超音波検査では、肝は辺縁鈍で、内部エコーは不均一であり、全体的に腫大していた。腹部単純CTでは所々に低吸収域があり、全体的な萎縮はみられないものの、局所的な萎縮もみられた。腹部ダイナミックCTでは肝は多結節状の形態を呈しており、肝硬変を疑った。腹部ダイナミックMRIでも、動脈相での濃染ははっきりせず、不均一な状態で腫瘍が混在していて区別するのが難しい状態であった。急速に進行した肝障害の原因検索目的で肝生検を施行。門脈域およびその周囲の細血管内に小型の充実性泡巣を示す腫瘍細胞が塞栓する像が多数認められ、乳房部分切除材料において類似の組織所見を示す部分が認められた。免疫組織化学的 には AE1/AE3 陽性、CK7 一部陽性、CD20 陰性、CD56 陰性、ER 一部で弱い陰性像、PgR 陰性、HER2 Score 1+、で若干染色性は弱いものの、類似のプロファイルを示しており、Breast cancer のLiver metastasis が疑われた。現在はPAC (40)+Beb(10mg/kg)による治療が開始されている。今回我々は乳癌化学療法終了1年後に急速に進行した肝障害を示した乳癌肝転移の症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
肝転移, 乳癌 |