セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 061:

当院における大腸内視鏡ESD後の手術症例の検討

演者 加納 寛悠(岐阜大学大学院 腫瘍外科学)
共同演者 棚橋 利行(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 高橋 孝夫(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 野中 健一(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 松橋 延壽(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 館 正仁(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 櫻谷 卓司(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 今井 寿(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 佐々木 義之(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 田中 善宏(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 奥村 直樹(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 山口 和也(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 長田 真二(岐阜大学大学院 腫瘍外科学), 荒木 寛司(岐阜大学大学院 消化器病態学), 森脇 久隆(岐阜大学大学院 消化器病態学), 吉田 和弘(岐阜大学大学院 腫瘍外科学)
抄録 【目的】大腸癌治療ガイドラインにおいて内視鏡摘除後の追加治療の適応基準として、垂直断陽性、SM浸潤度1,000μm以上、脈管侵襲陽性、低分化腺癌・印環細胞癌・粘液癌、浸潤先進部での簇出Grade2/3とされている。当院におけるESD治療後の手術症例につきその適応・妥当性につき検討した。【対象】2003年11月~2012年7月までの8年9か月間での当院で大腸内視鏡ESD治療(計464例)後に当科で外科的追加切除を行った14例。【結果】大腸癌;11例(上行結腸/S状結腸/直腸 2/1/8で組織型はtub1/tub2/その他 7/3/1)、直腸カルチノイド;3例。切除理由はSM浸潤度1,000μm以上;9例、脈管侵襲陽性;8例、垂直断端陽性;1例、組織型;1例、であった。腹腔鏡での切除が13例、開腹が1例。ESDから手術までの中央値は70.5日。術後排ガスまでの平均日数は1.8日、術後平均在院日数は15.6日、術後合併症は2例(14.2%)に認めた。リンパ節転移は3例(21.4%)に認め、全例にリンパ管侵襲を認め、組織型は2例がtub2、1例がtub1であった。腫瘍の大きさは他の症例と有意な差はなく、術後合併症は認めなかった。術後観察期間中央値は27か月であり、リンパ節転移のあったもののうち1例(7.1%)に肺転移再発を認めた。【考察】当院でのESD後の追加切除は直腸に多く、また多くの症例で腹腔鏡でのD2郭清を行っている。今後は追加切除症例のさらなる絞り込みの診断技術開発が期待される。
索引用語 大腸癌, ESD