セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 051:

術前に診断し得た混合型肝癌の1例

演者 廣瀬 崇(豊橋市民病院 消化器内科)
共同演者 浦野 文博(豊橋市民病院 消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院 消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院 消化器内科), 山田 雅弘(豊橋市民病院 消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院 消化器内科), 松原 浩(豊橋市民病院 消化器内科), 竹山 友章(豊橋市民病院 消化器内科), 田中 浩敬(豊橋市民病院 消化器内科), 田中 卓(豊橋市民病院 消化器内科), 芳川 昌功(豊橋市民病院 消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院 消化器内科)
抄録 【症例】78歳 男性【主訴】HCC精査目的【既往歴】糖尿病、腹膜炎にて手術歴あり。【現病歴】平成22年9月健診の超音波検査にてlow echoicな肝腫瘍を指摘された。近医CT検査にて9月の腫瘍径がS8に37mm大、10月のEOB-MRIにて70mm大と増大しており、当院紹介となった。同10月超音波検査では肝S7,S8に不明瞭な腫瘤影とその内部に3つの境界明瞭なlow echoic massを認めた。血管造影では、肝右葉に巨大腫瘤を認め、右胆管と門脈に圧排浸潤像を認めた。CTHAでは第1相では腫瘍は境界不明瞭で、淡い造影効果のある部分と乏血性な部分が混在しており、最大径としては90mmであった。第2相では、腫瘤の一部は造影効果が遷延し、corona signは認めず、繊維成分に富んだ腫瘤が疑われた。MRCP、ERCPでは右胆管起始部が描出されなかった。以上より混合型肝癌と診断した。HBc抗体価陽性、HBs抗原陰性、HBV-DNAはPCR法では検出されなかった。HCV抗体価は陰性であった。明らかな遠隔転移を疑う所見は認めず、肝機能検査ではICG15分値14% Child Aであり肝右葉切除術を施行した。術後の摘出標本では摘出肝に7cm x5cmの腫瘍を認め、主要な部分はHCC pseudoglandular typeでありそれに内包される格好でintrahepatic cholangiocarcinomaを認めた。以上よりCombined HCC and CCC ,im- ,eg, fc- ,fc- inf- ,sf+ ,s0 ,vp0 ,vv0 ,va0 ,b0 ,sm- T3N0M0 Stage3と診断した。術後経過としては18か月間無再発で経過している。【考察】本症例で認めた腫瘤影は超音波検査上、境界不明瞭なややhigh echoicな部分はCTでは血流豊富な像として認め、病理検体ではHCCの部位と一致した。超音波検査で境界明瞭なlow echoicな部分はCTでは遅延性濃染像として認め、病理検体ではCCCの部位と一致した。今回、悪性度が高く、高度進行例が多い混合型肝癌を術前に診断し、切除し得た一例を経験したのでここに報告する。
索引用語 混合型肝癌, 原発性肝癌