セッション情報 一般演題

タイトル 017:

右腎癌術後18年目に発見された腎癌孤立性膵転移の1例

演者 武内 泰司郎(市立伊勢総合病院 外科)
共同演者 出崎 良輔(市立伊勢総合病院 外科), 野田 直哉(市立伊勢総合病院 外科), 伊藤 史人(市立伊勢総合病院 外科)
抄録 症例は79歳男性。61歳時に右腎癌にて右腎摘出術(pT2bN0M0 StageII)、63歳時にS状結腸癌、胆嚢結石、骨髄異形成症候群にてS状結腸切除術(S,Isp,10×7mm,SM,N0,H0P0M0 StageI)、胆嚢摘出術、脾臓摘出術、64歳時に吻合部再発にて低位前方切除術を受けている。食欲不振のため、近医にて上部消化管内視鏡検査が行われた。胃体部後壁に壁外からの圧排所見を認め、精査加療目的に当院に紹介となった。腹部超音波検査にて膵体部に4.7×5.2×4.8cm大の不整形で、内部エコーが不均一な腫瘤を認めた。腹部造影CT検査にて膵体部に、径5cm大で早期に造影効果を伴う球形の腫瘤を認めた。中心部には一部液状成分を認めた。また膵尾部には3cm大のIPMNを疑う嚢胞性病変を認めた。主膵管の拡張は認めなかった。造影MRI検査では膵体部の腫瘤はT1WIで低信号、T2WIで高信号を示し、造影効果を伴っていた。中心部にはT2WIにて高輝度、造影されない液状成分を認めた。膵尾部には2.9cm大のIPMNを疑う嚢胞集簇像を認めたが、内部に壁在結節は認めなかった。PET-CTでは膵体部腫瘍に一致して淡い集積(SUV2.8)を認めたが、他部位に集積を認めなかった。転移性膵腫瘍または膵内分泌腫瘍の診断で膵体尾部切除術を施行した。摘出標本では4.9×4.5×3.1cm大の線維性被膜に覆われた境界明瞭な腫瘤で中心部には壊死を伴っており、病理組織学的には淡明細胞癌の増生を認め腎癌の膵転移と診断された。また尾部の嚢胞性病変は拡張した嚢胞に浸潤性増生を伴わない高円柱状上皮を認めIPMAと診断された。腎細胞癌は、肺・骨などに転移を来しやすく、膵臓への転移は比較的少ない。腎癌転移巣に対する治療法として、全身状態が良好で転移巣が切除可能な場合、転移巣に対する外科的治療は生存期間の延長が期待される。今回、比較的稀な腎癌孤立性膵転移症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 腎癌, 膵転移