セッション情報 一般演題

タイトル 069:

傍神経節腫(paraganglioma)にBurkittリンパ腫を合併した1例

演者 染野 泰典(新潟県立十日町病院外科)
共同演者 福成 博幸(新潟県立十日町病院外科), 中嶌 雄高(新潟県立十日町病院外科), 高橋 英徳(新潟県立十日町病院外科), 設楽 兼司(新潟県立十日町病院外科), 林 哲二(新潟県立十日町病院外科)
抄録 症例は79歳男性。75歳時に肝細胞癌に対して肝右葉切除術を施行。その後、高血圧症で他院に通院し、アンジオテンシンII受容体拮抗薬を内服していたが、2012年3月頃から頻脈性不整脈が出現したため、β遮断薬を処方された。不整脈の出現と同じ頃に全身倦怠感、不眠、盗汗、暑さ、浮腫、腹部膨満感が出現。症状が徐々に強くなったため、6月に精査加療目的で入院した。腹部CT検査では、大動静脈間に長径3cmのhyper vascularな腫瘤を認めた。また、腸間膜リンパ節腫大と、広汎な腸間膜の脂肪織濃度上昇および肥厚、終末回腸の腫瘤状壁肥厚、肝表に貯留する腹水を認めた。傍神経節腫を疑いカテコラミン検査を施行してみると、血中ノルアドレナリン1.39ng/ml、尿中ノルアドレナリン661.4μg/day、尿中VMA 5.76mg/dayとそれぞれ高値であった。アンジオテンシンII受容体拮抗薬およびβ遮断薬の内服を中止し、α遮断薬(ドキサゾシン)の内服を開始し、血圧および不整脈は改善した。以上より傍神経節腫と診断し、腫瘍摘出術を施行した。また、硬化腫大した大腸脂肪垂を病理組織学的検査に提出した。患者は手術終了8時間後から急速に進行する徐脈性不整脈を来たし、蘇生に反応せず死亡した。病理組織学的検査の結果、後腹膜腫瘤は傍神経節腫として矛盾せず、また、腹腔内に広範に進展するBurkittリンパ腫を合併していたと診断された。今回我々は、傍神経節腫に広範な進展を呈するBurkittリンパ腫を合併した1例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 傍神経節腫, Burkittリンパ腫