セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 048:他臓器に穿破したIPMNの検討 |
演者 | 中岫 奈津子(山梨大学 第一内科) |
共同演者 | 深澤 光晴(山梨大学 第一内科), 高野 伸一(山梨大学 第一内科), 門倉 信(山梨大学 第一内科), 進藤 浩子(山梨大学 第一内科), 高橋 英(山梨大学 第一内科), 横田 雄大(山梨大学 第一内科), 加藤 亮(山梨大学 第一内科), 佐藤 公(山梨大学 第一内科), 榎本 信幸(山梨大学 第一内科) |
抄録 | 【目的】IPMNは増大により隣接臓器に穿破をきたし瘻孔を形成する症例が報告されているが、穿破をきたす症例の臨床像は明らかとなっていない。今回、IPMN穿破例を解析し、臨床病理学的特徴と予後について検討した。【方法】対象は当院で診断したIPMN304例のうち、隣接臓器への穿破をきたした6例。穿破例の背景と画像所見、手術例の病理結果、経過観察例の予後について検討した。【結果】初診時年齢:中央値78歳(64-86歳)、性別:男性3、女性3、主膵管型2、分枝型4、部位:主膵管型2例は膵全体、分枝型4例は全例膵頭部であった。診断時画像所見:主膵管型2例は膵管径20mm/20mm、壁在結節3mm/5mm、分枝型は嚢胞径中央値45mm (32-68mm)、主膵管径4.5mm (3-12mm)、壁在結節高6.5mm (2-17mm)であった。分枝型の1例は初診時に隣接臓器との瘻孔を認めたが、他の5例は経過観察中に穿破をきたした。診断から穿破までの平均期間は主膵管型4年7ヵ月、分枝型8年4ヵ月であった。穿破時の画像所見は、主膵管型は膵管径37mm/30mm、結節高29mm/13mm、分枝型は嚢胞径59mm (42-85mm)、膵管径10mm (4-12)mm、結節高9mm (5-17)であった。穿破部位は胃3例、十二指腸4例、胆管2例、肝1例、脾臓1例、後腹膜1例(重複あり)であり、3例(50%)は複数臓器への穿破を認めた。分枝型2例に対し膵頭十二指腸切除術を施行、病理結果は2例とも腺腫であり無再発生存中である(2.6年/6.2年)。他の4例は年齢や併存疾患のために非切除の方針となった。4例全例が経過観察中に腫瘍死し、穿破後の平均生存期間は1年6ヵ月であった。【結語】IPMN穿破例は高齢者の膵頭部病変に多い。切除2例は腺腫であり、術後長期生存中であるが、非切除例では穿破後の進行が早く、最終的に腫瘍死に至る可能性が高い。 |
索引用語 | IPMN, 穿破 |