セッション情報 | 一般演題(初期研修医) |
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タイトル | 12:肝両葉に拡がる多発転移を契機に発見された膵神経内分泌腫瘍の1例 |
演者 | 永岡 智之(市立宇和島病院 消化器内科) |
共同演者 | 岡本 傳男(市立宇和島病院 消化器内科), 上野 義智(市立宇和島病院 消化器内科), 竹下 英次(市立宇和島病院 消化器内科), 清家 裕貴(市立宇和島病院 消化器内科), 宮本 安尚(市立宇和島病院 消化器内科), 市川 幹郎(市立宇和島病院 消化器内科), 松影 昭一(市立宇和島病院 臨床検査科), 中西 護(市立宇和島病院 臨床検査科) |
抄録 | 【症例】63歳、女性。【主訴】心窩部不快感、全身倦怠感。【現病歴】数か月前から心窩部の不快感と全身倦怠感があり、平成24年7月3日に当院外来を受診した。腹部単純CT検査で肝両葉に多数の低吸収を呈するSOLを認めたため、精査を行った。【既往歴および生活歴】平成6年、甲状腺腫で甲状腺左葉切除術後。飲酒歴なし。【理学所見】腹部:著明な肝腫大。【検査成績】HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。生化学検査ではT-bil 0.4mg/dl、AST 89U/L、ALT 99U/L、LDH 208IU/L、LAP 140 IU/L、γ-GTP 409IU/Lと軽度の肝機能異常を認め、腫瘍マーカーはCEA 3.2ng/ml、CA19-9 10.0U/ml、AFP 5.9ng/ml、PIVKA 46mAU/mlであった。【画像検査および臨床経過】造影CTおよび造影超音波検査では肝両葉に広範に多発する腫瘤影を認め、早期濃染と後期洗い出しが見られ、画像上は肝細胞癌を疑う所見であった。病歴や検査結果より慢性的肝疾患は否定的であり、特殊な肝腫瘍性疾患と考えられたため、7月23日に肝腫瘍生検を施行した。病理所見は、neuroendocrine tumor(WHO分類:NET G2)であった。追加の検体検査では、尿中5HIAAは18.1mg/Lと高値を示し、一方、血中ガストリン、VIP、インスリンおよびACTHはいずれも正常域であった。なお、以前から顔面紅潮があったことも確認された。上部消化管および大腸内視鏡検査では異常所見はなく、PET-CT検査では、膵臓頭部、肝臓および骨に集積を認めた。さらに、MRI検査においても膵臓頭部の腫瘍性病変は確認された。以上の検査結果より、肝転移を伴う機能性膵神経内分泌腫瘍(G2)と診断した。8月20日よりEverolimusの投与を開始した。【考察】本症例は、肝両葉におよぶ広範な多発肝転移を伴った膵神経内分泌腫瘍であり、肝腫瘍生検により確定診断が可能であった。膵神経内分泌腫瘍は比較的まれであり、肝転移報告例はあるものの本症例のように広範な肝転移を契機に発見された症例は稀と考えられ報告する。 |
索引用語 | 肝転移, 膵神経内分泌腫瘍 |