セッション情報 | 合同シンポジウム2「肝胆膵疾患診療の進歩」 |
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タイトル | S2-05:局所進行切除不能膵癌に対しての外科治療における化学放射線療法の有用性 |
演者 | 岡林 雄大(高知医療センター 外科) |
共同演者 | 志摩 泰生(高知医療センター 外科), 住吉 辰郎(高知医療センター 外科), 上月 章史(高知医療センター 外科), 村岡 玄哉(高知医療センター 外科), 藤原 聡史(高知医療センター 外科), 寺石 文則(高知医療センター 外科), 尾崎 和秀(高知医療センター 外科), 澁谷 祐一(高知医療センター 外科), 福井 康雄(高知医療センター 外科), 中村 敏夫(高知医療センター 外科), 西岡 豊(高知医療センター 外科), 岡林 孝弘(高知医療センター 外科), 谷木 利勝(高知医療センター 外科) |
抄録 | 「背景と目的」膵癌の治療では外科切除が唯一根治を期待できる治療法であるが、診断時に局所進行、遠隔転移などの理由で切除適応外となる割合が多い。膵癌外科治療においては、所属リンパ節郭清を標準とした剥離面・切離面の組織学的がん遺残のない切除が治療成績の向上には重要であり、そのために膵癌の門脈浸潤があれば門脈合併切除・再建を行い、膵鈎状突起におよんでいれば膵頭神経叢・上腸間膜動脈周囲神経叢郭清を行う。しかし膵癌が上腸間膜動脈もしくは肝動脈に浸潤している場合の、動脈合併切除の意義についてはその有用性を示唆するデータは未だ十分ではない。今回切除不能膵癌と診断され化学放射線治療を行った結果、腫瘍縮小効果が認められ根治切除が可能となった5症例を経験したのでこれを報告する。「結果」膵癌が肝動脈、腹腔動脈または上腸間膜動脈周囲神経叢へ広汎に局所伸展を認める場合を切除不能例としている。2005年の高知医療センター開院以来、44例の遠隔転移がない局所高度進行による切除不能膵癌に対して化学放射線治療が行われた。切除不能と診断された症例に対して化学放射線治療を行った結果、5例 (11.4%)が根治切除可能となった。切除に至らなかった39例の生存期間中央値は10カ月であったのに対し、根治切除し得た5例においてはいずれもR0の手術 (PpPD 2例、DP-CAR 2例、DP 1例) が施行でき全て無再発生存中であった (6-82カ月)。「結語」通常型膵癌に対して根治を期待できる治療法は依然として外科切除のみである。局所進行膵癌に対して化学放射線療法は有用であり、切除不能と診断されても、化学放射線治療を行うことによって根治切除が可能となる症例を経験した。外科医のみならず、内科診断医、化学療法医、放射線治療医が密な連携をとり膵癌診療にあたる事によって、膵癌治療成績の向上につながる事が示唆された。 |
索引用語 | 膵臓癌, 外科治療 |