セッション情報 合同シンポジウム1「炎症性腸疾患治療の新展開」

タイトル S1-01:

潰瘍性大腸炎に対するインフリキシマブ、タクロリムスの治療効果

演者 鈴木 康博(徳島県立中央病院 消化器内科)
共同演者 矢野 充保(徳島県立中央病院 消化器内科), 田村 潮(徳島県立中央病院 消化器内科), 中村 文香(徳島県立中央病院 消化器内科), 岸 久美子(徳島県立中央病院 消化器内科), 河南 真吾(徳島県立中央病院 消化器内科), 林 真也(徳島県立中央病院 消化器内科), 浦田 真里(徳島県立中央病院 消化器内科), 北添 健一(徳島県立中央病院 消化器内科), 中本 次郎(徳島県立中央病院 消化器内科), 柴田 啓志(徳島県立中央病院 消化器内科), 片岡 孝一(片岡内科消化クリニック)
抄録 【はじめに】難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対する新たな治療薬としてインフリキシマブ(IFX)とタクロリムス(TAC)が使用可能となった。今回我々は、当科で導入したIFX、TACによる治療効果について検討した。【対象と方法】対象は2010年7月から2012年8月までに当科でIFXまたはTACを導入した10例(男性4例、女性6例、平均年齢40.3歳)。そのうちIFXのみの導入は3例、TACのみの導入は1例で、残りの6例は治療抵抗性または再燃のためIFXとTACの両方が導入されていた。全例がステロイド依存性UCでCAPは7例に施行歴があった。重症度は中等症9例、重症1例、病型は全大腸炎型3例、左側大腸炎型7例、平均病脳期間は5年であった。治療効果はLichitiger indexで評価し4以下を寛解と定義した。【結果】IFX導入例の治療前Lichitiger indexは6.6、投与4週後4.9、寛解率33%(3/9)、6週後4.8、寛解率56%(5/9)、最終的にプレドニン中止し寛解維持できている症例は33%(3/9)であった。TAC 導入例では治療前9.4、2週後3.2、寛解率100%(7/7)、4週後3.2寛解率86%(6/7)、12週後3.7、寛解率71%(5/7)、最終的にプレドニン中止し寛解維持できている症例は29%(2/7)であった。重篤な副作用はIFX導入例、TAC導入例ともに認められなかった。【結論】ステロイド依存性UCに対しIFXまたはTACを導入することにより半数でプレドニン中止し寛解維持が可能であった。TACは寛解導入率は高いが投与中止後の再燃が課題と考えられた。
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ タクロリムス